2005年7月-9月
7月1日(金)
「木村屋」
父が若い頃、よく行った‘木村屋’というラーメン店がある。
私が高校生の頃も、まだ‘木村屋’はあった。
通学で近くを通った時、のれんが出ていたのを覚えているが、
ふるーい木造の建物で現在はもう営業してないはずだし、店舗もなくなっていると思う。
最近になって父が「‘木村屋’のラーメンは一番美味いっ!」と言い出した。
どこのラーメンを食べても「‘木村屋’のラーメンが一番だ!」と言い、
「あんなに美味いラーメンはないっ!」「木村屋のラーメンは最高だっ!」と。
そこまで豪語されては気になって仕方ない。
でも、もう店はないのだから、私にとって‘幻の極うまラーメン店木村屋’だった・・・
そんなある日、新聞の広告に‘木村屋’の文字を発見!
「あっ・・」
場所は少し移動したようだが、たしかにラーメンショップとある。
息子さんがお店を引き継いだのだろう。
「父ちゃん、‘木村屋’があるよ!」
後日、‘木村屋’の味を知る父とさっそく出かけた。
バイパス沿いに移動した店内はそれほど広くはなく、お昼時でもあったので順番待ちしたほどだ。
さすが‘木村屋’の看板の威力は大きいようだ。
暑かったので、冷やし中華が食べたかったが、まだ始めてないと言う。
行ったのは6月下旬だったので、おそらく7月から始めるのだろう。
私たちはオーソドックスに‘中華そば’を注文した。
店長らしき若い男性と、アルバイトのおばちゃんたちが3人くらいで切り盛りしている。
手打ち麺と無添加のスープ。昔ながらの味・・・
「どれどれ・・・」
うん、私が食べたところでは麺の細さも丁度いいし、スープも美味しい。
tuzi)「どう?昔と同じ‘木村屋’の味?」
父)「どうだったかなあ?わっかんねえな・・違うような気もする。
もっと美味かったような・・・ズズーッ」
tuzi)「えー?わかんないのぉ?」
作ってる旦那さんが、昔の人ではないので少しはアレンジなども入って味を変えたのかもしれないし。
レジにお勘定に行った時、
「こちらは、以前向こうにお店構えてた‘木村屋’さんですか?」
と聞いてみた。
すると、
「ちっがうんですよー!
みなさんそうおっしゃるんですけどね。
店長の名字がたまたま木村だった、っていうだけで
まったく関係ないんですよー!」
あっちゃー・・・
そうだったのか・・・
本物の‘木村屋’は後継者がなかったらしく、その味は途絶えてしまったもよう。
幻の木村屋・・・
その味を知るのは父だけ・・・
伝説の木村屋・・・
その味は永遠の謎だ・・・
7月5日(火)
「パシリ教室」
6月から書道の教室を曜日の違う会に入りなおした。
昨年一年所属した会は人数が多くて、1年生の私が見てもらえるのはいつも最後で、
添削やお手本を書いてもらうまで時間がかかり過ぎて教室に行っても練習にならなかった。
今度入った会も龍先生がご指導なさってる会で、人数も10人ほどなので
少しは見てもらえる時間が増えるかな?と思って入会したのだった。
メンバーは女性ばかりのお年寄りで私がダントツブッチギリで若い。
龍先生は毎回、手作りお菓子やら果物やら何かしらおやつを持ってきて、
練習というより2時間のうち半分はお茶してる状態・・・
しかも私がお湯沸かしたり、お茶淹れたり、洗い物したり・・・
机の準備、座布団だし、掲示物を脚立で上がって張ったり・・・
とにかく力仕事から、雑用、使いっパシリ全般しなければならないはめになってしまった。
なんだかなあ・・・
練習したくて通ってるのに、これじゃ何しに行ってんだか・・・
先日は、提出物を持って龍先生の御宅に伺った。
「渡したい書類がある」とおっしゃってたので「ちょうどいいところに来たー」と言われたが、
その書類とやらが山にうずもれて見つからない。
「昨晩見たばっかしなんだけどなあ・・・」と探しても見つからない。
「ボケたかなあ・・・」なんて言ってる。
確かにそれもある!
・・・待つこと30分。
「バナナでも食べて待ってて」と、龍先生にバナナ持たされてしまった(爆)
結局、書類は見つからないし、先月などはせっかく清書して提出したのに、
その作品も送り忘れているし・・・
今月も締め切りが早まったのを先生が忘れていたため、
私は急遽提出物を持って先生の御宅に行かねばならなくなってしまった。
「ご苦労さん。ちょっと待ってて・・・」と言うので、また書類でも持たされるのかと思ったら
「これ持ってって」と手渡されたのがグレープフルーツだった(爆)
長閑です・・・
長閑すぎるのではないでしょうか・・・
このままで私は上達が見込めるのでしょうか?
とっても不安なこの頃なのでした・・・
7月10日(日)
「ハゲの法則」
気のせいでなければ生え際ハゲに毛が生えてきたような・・・
・・・生えてきた気がします。
ボヤボヤの黒い毛が・・・
まだ2mmほどですが・・・
巨大な後ろっパゲはどうかな?
合わせ鏡で見てみると、う〜ん・・・確かに生えてるような・・・生えてないような・・・
でも、白髪なんですけど!(爆)
私には大小あわせて確認できたものだけでも、10個のハゲがあります。
その中でも、隠しようがない生え際ハゲは毎日観察することができます。
そこに毛が生えてきたのを確認したわけですが、
そして私、ハゲの法則を発見いたしました!
「tuzi式ハゲの法則」
その1、円形脱毛症の原因はやはり強いストレスによるもの。
その2、ハゲは、その原因から発症までに時間差がある。
その3、抜け毛は沈黙也。
その4、ところが生えはじめはとにかく痒い←→痒いところにはハゲがある。
その5、新しいポヤポヤ毛はハゲの中心部から生えてくる!
ですので、生え際ハゲにハゲの中心部から新しい毛が生えはじめると、
そりゃ、待望の毛髪なので嬉しいことは嬉しいのだが、離れ小島のようになってしまい
みっともないったらありゃしない!
例えて言うなら「子連れ狼」の大五郎ですから(爆)
そして、生えはじめは痒くなるのですが、これまた抜け毛の時同様時間差があるので、
「痒いっ。」と思って触ってみると、そこはまだテカテカハゲのままなのです・・・
この調子で生えてくれれば、原状復帰、完治するまでにあと半年から一年てとこでしょうか。
治るまで長い期間を覚悟しなければならない病気のようです。
結局、何かと忙しくて病院に行きそびれていました。
tuziのハゲは気のせいでなければ、只今自然治癒に向かっているところです。
向って欲しいです。
ま、ひとつ残念なことは、今週にひかえた全国大会に間に合わなかったことです・・・
離れ小島の大五郎のままガンバリマス!
あまりの痒みで本番中も集中力がなくなりそうです。
套路途中でボリボリ頭を掻かないようにガンバリマス!
・・・といったわけで、全国大会出場のため7月15日の更新はお休みします。
次回更新は7月20日の予定です。
ハゲを引っさげ、いってきま〜す♪
7月20日(水)
「ロンドン」
2012年のオリンピック開催地がロンドンに決まった。
候補地のフランスとイギリスは過去戦争をしたとかで‘因縁の対決’などと言って
オリンピック誘致合戦でも‘戦い’をあらわにしていたりしている。
マスコミに乗せられているだけ?煽られているだけ?踊らせられている?
どっちにしろ・・・
関係ないでしょっ!
それに闘いじゃないし!
つーか、選んでもらったからってなんで狂喜乱舞して喜んでるんだか分かんないし。
なんでそんなに嬉しいの?
「名誉と多額の誘致額が入るから」と言う人もいるが、
多額の誘致額が入ったとしても、一市民が狂喜乱舞することなの?
名誉と言うけど、そんなに誉れ高いことなの?
聞けば、ロンドンに決まったその決め手は、PRビデオだったというじゃないか!?
ロンドンの貧困層から労働者にいたるまで全市民あげてオリンピックに積極的に働きかけてる・・・
そんな感動的なPRビデオ上映で票が入ったと言うではないか!?
そんなのが決め手になるなら、そういった感動ビデオを作製すればいいということ・・・
それでいいのか?IOC?
いずれ、ロンドンのオリンンピック開催予定地はスラム地区だ。
この機会に、貧困層のあえぐ地区を一掃するのにもってこい、渡りに船状態。
「一掃する」なんて物騒な言葉はもちろん使いません。
このことをイギリス人は「再開発」すると言います。(毒)
一般市民が喜ぶ姿には興ざめするけど、政府関係者はウハウハもので喜んでいることだろう・・・
「名誉より金」って感じで♪それは想像に余りある光景です。
汚いよ!
アメリカやイギリスのすることは、昔っから汚いよ!
オリンピックという祭典に乗じて、クリーンなイメージを保ちつつ、
人様のお金(運営資金)でスラム街を一掃、臭いものに蓋!
感動PRビデオの裏では「オリンピックはビジネス」と割り切っているイギリスのその腹黒さ・・・
大金が入るとなれば、首相だってフィリピンくらいに行くわな。お安い御用さな・・・。
ふんっ!
ま、どこに決まろうが思惑を秘めている点においては似たりよったりだろうけどね♪(毒)
7月25日(月)
「りんご」
青森からりんご売りが来た。ま、押し売りや行商の類である。
「こんちわ〜、青森から来たんだげっと〜、りんご買ってけねがぁ〜」
かなり訛ってる・・・
「このへん、まわってんだげっとぉ〜、お盆までおけっしぃ〜、喜んでもらってんだぁ〜」
ふ〜ん・・・
お盆ねえ・・・
「お供えすんのにいいって、重宝がられてよぉ〜、・・・食べてみてけろぉ〜」
・・・甘い。うん、美味しい♪
「あと、2,3軒寄ってからまた来っからぁ〜、ほんで!」
んじゃ、5,6個ももらおうかな。
10分後。
やってきたのは、さっきのおじさんではなく、コワモテの別のおじさんだった。
さっきのは偵察、先発だったらしい・・・
そのコワモテの別のおじさんは、トラックで乗り付け黙ってりんごを袋に詰め込み始めた。
「(そんなにいらないんだけど・・・)」
30個くらい入れてるだろうか。
おじさんはチラシを片手に
「これ、上級品だから10kg、3500円でどうだっ!」
かなり強引なんですけど!
「ウチ、そんなにいらないんですけど・・・」
ギロッ!
「(ひえっ・・・)」
「だったらいくら欲しいんだっ!」
「5,6個もあればいいんですけど・・・」
おじさんは憮然となり、面倒くさそうにトラックに戻り、りんごを少なくし、
「ほれ!1000円けろ!」
これって押し売りですよね?
ま、1000円くらいなら、と思い黙って従った。
お金を払ったら、‘ありがとうございました’もなく、あっという間に帰ってしまった。
私は青森ナンバーかどうか確かめる間もなかった。
人の良さそうな先発隊がきて、その後で脅して買わせるなんて・・・
袋には8個の腐りかけのりんごが・・・
皮を剥いて食べたら試食でもらったのとぜんぜん味が違うし!
「(あ〜、騙された〜・・・」
家族には、
「この時期売りに来たりんごは昨年のりんごに決まってる。買うほうが間違ってる」
「お盆にりんごを供えるか?桃とかぶどう・・・だろ?」
え〜ん、騙されたぁ・・・
騙されやすい私は、後日またも騙されてしまった。
ある日曜日、フリーマーケットをぶらぶらしていたら、
「おねえちゃん!花買って♪」
と小さな鉢植えの花を手におやじが寄ってきた。
「匂いかいでみ♪」
「この花なんですか?」
「くちなしだよ。いい匂いするだろ?ほら、こっちのつぼみももうすぐ咲くから買ってって♪」
「いくらですか?」
「200円」
200円か・・・だったら、いいか・・・
「庭に植えれば毎年咲くから。根っこがついてるからね♪」
家に帰ったら、さっきのつぼみが咲いていた。
水をかけたら倒れた。
あーっ!
根っこがなーい!
あのおやじ、騙しやがったなー!
これじゃ、切花じゃんかー!
おやじとしては切花を土に刺していたから、早く売ってしまいたかったのだ。
「騙されたーっ」と訴える私に家族が言うには、話しかけられて反応した私の負けだそうな・・・
く〜っ・・・一理ある。
8月1日(月)
「チャングム」
長編韓国ドラマ「チャングムの誓い」
企みに罠、陰謀渦巻く宮中を舞台に繰り広げられる韓国ドラマである。
毎週、BSで放送されていたのを父が好きで毎週のように見ていた。
だいぶお気に入りの様子。
熱くなって血圧が上がりっぱなしだ。
私も時々見ていたが、飛び飛びなので事情が飲み込めなくなっていたりしていたが、
そこは父に補足説明を受けながら見ていた。
その番組が27話までまとめて再放送されると知って私も最初から見始めることにした。
毎日2話ずつ7月28日までとのことでした。
夢中になりました♪
宮中の女官は全員王様のオンナです。
ですから恋愛厳禁。
王様に忠誠を誓い、貞操を守る。
・・・考えようによっては、なんと不健康で陰湿な世界だろうかと思います。
王様のオンナとして生涯を終えるのです。
そしてそのほとんどが、お手もつかず、最期は尼寺に行って憐れな臨終をむかえることになる。
働きアリのような辛い一生です。
そんな宮中の女官をチャングムが演じると明るく爽やかドラマに♪
「誓い」とはなにをさすのか?
禁断の愛に走ることなく王に忠誠を誓うことか?
それとも、亡き母の願い、宮廷のチェゴサングンになることか?
それとも、父を死に追いやった陰謀を暴くことか?
いやいや、そんなちっぽけなことではなくて、
亡き母の遺言「簡単に諦めないこと」「決して泣かないこと」を信条に生きていくことか?
父の言いつけを守り、決して素性を明かさず生きていくことか?
はたまた・・・
そんな推理サスペンスのような見方も楽しんでいるわけだが
再放送は土曜日と日曜日がお休みなのでなんと寂しいことか・・・
前半の集中再放送は終了しましたが、現在も番組は進行中なので、
後編の集中再放送(今年12月予定)が今から楽しみです♪
待ち遠しいです♪
それにしても、私はこのままでいいのだろうか・・・
こんな生活は虚しすぎます・・・
こんな毎日は悲しすぎます・・・
これでは女官以上に哀れです・・・
「チャングムの誓い」を見ることだけが楽しみだなんて・・・
8月5日(金)
「ナス焼きしてたら・・・」
昨日、夕飯の仕度をしようとナス焼きをしていた。
熱したフライパンの前で15個くらい延々と焼き続ける。
本日の気温、36℃。
それが火の前なら40℃近かったと思う。
5個フライパンにねかせてひっくり返しながら焼いてるうちに具合が悪くなってきた。
暑いうえに火の気の前で立ち仕事・・・
なんだかクラクラします。胃も痛いんですけど。
立っていられないので冷房のある茶の間に行って横になった。
「暑かったから・・・」
そう思って、焼きあがる頃にまた行って、ひっくり返したり追加したり。
めまいがひどくなると、茶の間に避難して横になって・・・を繰り返していた。
涼しいところにくると、気持ちはいいが具合が悪いのはいっこうに良くなる気配がない。
「これはもしや熱中症か??」
濡れタオルを首に巻いたり、水分を取ろうと梅酒を飲んだりした。
具合が悪いのに梅酒はないかな?と思いもしたが、あいにくスポーツドリンクがなかったのだ。
ところが、それでも良くはならないし、食欲もなくて夕飯も食べたくない。
熱中症でも脱水症状でもなさそうだ。
「おかしいなあ・・・」
そうこうするうち、ガタガタ寒気がしてきた・・・
「はっ!熱があるのかな?」
体温計で計ってみる。
37.8度。
熱があるのかな?、なんてボケたこと言ってる場合ではなく、めちゃめちゃ熱があったのだ。
気づかなかったほうがどうかしてる。
「風邪かなぁ・・・」
ここのところ、仕事も立て込んでいて、今日も暑い中(部屋の温度計は40℃に近い)
パソコン作業していたし・・・(仕事場にエアコンはない)
疲れがたまってきたのだと思う。
それにしても迂闊だった。
熱だとは気づかなかった。
熱があったとは・・・
外気温と体温がいっしょだったなんて・・・
それなのに酒飲んでしまった私って・・・
あ〜、今日は木曜日。
お楽しみの‘チャングム’がある日。
録画しようとセットしたはずなのに、熱でぼーっ、としていたせいか撮れてませんでしたー(泣)
今日も猛暑です。
みなさんも体調にはくれぐれもお気をつけ下さいね!
8月10日(水)
「捨て猫ツインズ」
ある日、我が家の庭にちっちゃい子猫が捨てられていた。
捨て猫か?
それとも、我が家の作業場で生まれたのか?
それとも、どこからかやってきたノラ猫なのか?
ミャーミャーないてエサをねだる猫の横にはもう一匹!
そっくりだ!
もう一匹の方は警戒心が強いらしく、遠巻きにこちらを窺がっている。
二匹いっしょに捨てられたのだろう。
一匹だけ捨てるには可哀想だから、二匹いっしょに捨てれば助け合って生きていくだろう、
飼い主はそう考えたのかもしれない。
といっても、‘捨てる’という卑劣な行為には変わりないのだが!
とにかく、お腹を空かせているようす。
たまらず牛乳を与えてみた。
一匹が警戒心もなく寄ってきた。野良にしては警戒心がない。
観察すると首輪の跡があった。
「やはり飼い猫だったんだ・・・」
もう一匹は怪我をして弱っていて、エサもよく食べられない状態だ。
首が血で固まっていたし、毛もあちこち抜けてボサボサだし、シッポの毛もまだらに抜けている。
エサを与えると、元気でなつっこい子ネコだけが食べてしまう。
可哀想なので私はエサを二つに分け与えた。
「可愛いがどうしたものか・・・うちにはチロがいるし、一匹ならまだしも二匹では・・・」
それに一匹は病気を持っていて弱っている。
だからといって・・・
黒トラのかわいい二匹だが、チロはこの二匹の侵入者にタジタジしてる。
強く出たくても、二匹が相手だし、しかもチビッコだ。
元飼い猫だった二匹はエサを貰ったことで、我が家を自分の家と思い込み、
先住者のチロを追い出すかのように横腹を頭で押すしぐさをしている。
もちろん、家の中には入れず外でエサを与えているのだが、
チロの出入りする窓にへばりついてくつろいでいる。
これでは立場が逆転しているではないか!
チロはチロで抵抗もせず身を引こうとしてるし・・・
ネコの本能なのだろうか、チビッコを保護し新しい住民が来たら先住ネコが家を出る。
こういったことはよく耳にすることだ。
私としてはツインズを飼ってあげたいが、それでチロが家を出て行くようでは困るし・・・
このままではツインズに家を乗っ取られてしまう。
チロの危機だ!
2日目。
朝早くから窓の外でエサをねだりに来ているツインズ。
チロも覗かれていてはエサも食べずらいのか、遠慮しているようにも見える。
気が散るのだろう。
ツインズの妹は我が物顔で家の中に入ってこようとする。
「こらこら!あんたたちは外で暮らしなさい!」
水を与えたら、よほど喉が渇いていたのか、警戒心の強い方が長いこと飲んでいた。
それで体力が少し回復したのか、食欲もでてきたみたいだ。
それにしても、元気いっぱいの妹は昼となく夜となく家の中を窺がい、隙あらば入り込もうとしている。
チロも心身ともに疲れている様子で、
「俺が身を引くよ・・・」
とかなり弱気になっている。
少しでも戸をあけると、待機していた妹が入り込み、チロは自ら入れ替わる始末だ。
「ツインズが乗っ取ろうとしている・・・!」
チロは自分から野良に戻ろうとしているし、私が連れてこないと家にも入ろうとしなくなってしまった。
四六時中ツインズに待機され覗かれていては、家の中にいても落ち着かないのだろう。
「このままではチロがいなくなってしまう・・・」
事は複雑だ。
ネコの社会にもルールが存在しているのだろう。
先に住んでいるネコが追い出されるような事態に相当する今回のケースだ。
それがネコの社会なのだろう。
もしかしたら、年長者のネコが子ネコを助ける本能からきているのかもしれない。
チロはチビッコのツインズに対して敵対心を露わにした鳴き方をしない。
匂いを嗅がれればされるままにして、悲しげに「クーン・・」と泣いてその場を立ち去るだけだった。
「俺はいいよ、おまえ達が飼ってもらいな・・」
とでも言ってるかのようだった。
チロは自分のエサもツインズに与えるようにと、食べなくなってしまったし・・・
「困ったなあ・・・だれか二匹いっしょに貰ってくれる家はないものかしら・・・」
飼ってくれそうなところに電話してみたが、引き取り先は見つからなかった。
結局・・・
チロの危機を救うためにはツインズを捨てるしかない!
「チビッコたちよ、一度ならず二度も捨てられることになるなんて・・・ごめんよ」
でもツインズが原因でチロがいなくなってしまうのでは困る。
3日目の朝。
憐れツインズは近くの河原の草むらに捨てられてしまった・・・
「これからは野生で逞しく生きてくれ!」
(つづく)
8月15日(月)
「帰ってきたツインズ」
家を明け渡し、身を引こうとするチロの危機を救うため、
已む無く我が家に捨てられていたツインズを河原に捨てに行った。
ツインズの身になって思えば、飼い主に捨てられ、捨てられた先でご飯もご馳走になって
安住できるかと思えば、そこには先住の猫がいた。
でも先住のチロぽんを追い出すなんて二匹がかりなら雑作もない・・・
家には入れてもらえないが、チロの出入り口をふさいで、チロが出てきた隙に家の中に!
そんな作戦で住み着こうとしていたのに、また捨てられてしまった。
可哀想だが、チロを守るためには仕方がない。
「おまえたちは去ってくれ・・・」
チロもツインズがいなくなって安心したのか、よく眠るようになった。
それまでは風呂場でツインズから身を隠すように寝ていたのだが・・・
「これで安心・・・」
いつもの日々に戻った。
翌朝。
「・・・ん?」
外でミャーミャー猫の泣く声が。
早朝5時。1階に下りていくとチロがカーテンの前に座って悲しげにこちらを振り向いた。
私は「もしや・・・」と思い、恐る恐るカーテンを開けた。
「あっ!!」
ツインズの元気なほう一匹だけが到着!
カーテンの外でお腹を空かせて泣いている。
1日で帰ってきました・・・
捨てられた場所が近すぎたのでしょう。
それに歩きだったため道順を記憶できたのだとも思います。
そしてここが自分の家だと思い込んでいるようですから。
‘どーして捨てたりしたのよ〜、んもうっ!’とおかんむりのようす。
チロぽんもやっといなくなって静かになったと思ったところへ帰ってこられて困り果てている。
悲しげに私を見上げています・・・
1日だけ様子をみて、それでもチロを追い出すようならまた捨てに行かねばならない。
今度は帰ってこれないような遠くへ・・・
捨て場所を思案するにしても、やはりツインズだって生き物である。
どうにかして生きていって欲しい。
人家のある所であればなんとか食いつないでいけるだろう。
それと、河原に捨てに行った時は家族の者が歩いて行ったから、
道順を記憶していて帰ってきたのかもしれなかった。
そう思って、今度は近所ではあるが、車に乗せて捨てに行くことにした。
翌日。
チビッコはまた捨てられることになった。
近所には猫を飼ってる家もあるので、そこの‘おこぼれ’でももらってなんとか生きていけるだろう。
憐れ、これでチビッコは3度も捨てられてしまった・・・
罪である。
いくら捨てられていたとはいえ、家にはチロがいるとはいえ、
縁あって我が家にやってきた可哀想な捨て猫を2度も捨てるなんて。
でも、捨ててしまったものは仕方がない。
その翌朝。
チロがカーテンの前で固まっている。
「え?また帰ってきたのか?」
カーテンを開けた。
「・・・いるよ」
チロがカーテンの前に座って悲しげにこちらを見上げた。
今日到着したのは、怪我をしていた方の猫だった。
河原からここまで怪我をしながら、やせ細り、3日をかけて歩いてきた。
それはそれで感心してしまう。
牛乳をあげながら、飼ってあげたいとも思う。
しかし、よく観察すると、この猫はオスだった。
チロが威嚇するように唸り声をあげている。
怪我をした方の猫はなかなか近寄らなかったので、「警戒心が強い性格なのかな?」と
思っていたが、それだけでなくオスだったからチロから離れていたのかもしれない。
二匹いっしょにいる時は、チロも威嚇しなかったが、元気なチビッコがいなくなって
相手が一匹になったら敵対心を現すようになった。
「やっぱり置いてあげられないな・・・」
私は泣く泣く捨てに行くことにした。
遠路はるばる3日をかけてやってきたのに酷である・・・罪作りである。
私は車に乗せ遠くまで走った。
3日をかけて歩いてきた賢い猫は、後部座席でジッと外の風景を凝視している。
風景を記憶するかのように・・・
炎天下の河川敷に放してやると、ガサゴソ茂みに逃げてしまった。
エサを置いてきてあげたが、こんなに暑いのでは、すぐにアリンコが群がってしまうだろう・・・
「さよなら・・・なんとか食いつないで生きのびるんだよ・・・(泣)」
(つづく)
8月20日(土)
「帰ってこないツインズ」
怪我をしているのに、歩きどおしでまだ疲れも取れていないうちに
炎天下の河川敷に捨ててしまった。
せっかく三日をかけて戻ったのに、捨ててしまった・・・
縁があってウチにやって来たものを・・・
私は気が気でなかった。
あんな、人家もない、強い日差しを避ける場所もない、
食べ物も満足に調達できないような場所に捨ててしまったことを。
同じ捨てるなら、人家のあるところのほうが生き易いのではないか。
3時間後。
私は戻った。
置いてきたエサ(案の定アリンコがたかっていた)を目印に
「チビッコ〜・・・チビッコ〜」
と呼ぶと、弱弱しくミャーと声がした。
「チビッコ〜・・・チビッコ〜・・・おいで〜」
茂みの中から猫が出てきた。
警戒心の強い猫であるが私には気を許している。
私は車に乗せて再度走った。
途中、最初に二匹いっしょに捨てられた河原を通って走った。
「ほら、ここが捨てられた所でしょ?覚えてる?」
後部座席でジッ外を窺がっていたが、捨てられたポイントを思い出したのか身を伏せていた。
私はそこを通り過ぎ、神社に向った。
神社なら飲み水もあるし、近くの人家からエサをもらうこともできるだろう。
車のドアを開けてやっても出てこない。
「おまえはここで暮らすんだよ。元気になるんだよ」
放してやると、しばらく車の下にもぐっていたが、
神社の境内に入ろうとはせず、道なりにダッ!と走って行ってしまった。
なにもない炎天下の河川敷にいるよりは、こちらのほうが生き易いだろう。
そう考えての判断だった。
家に帰って母にこのことを話したら、
「あの辺はノラ猫がやたら多いらしいから、虐められて生きていけないかもね」と言われた。
「えーっ!?そうだったのぉ?」
それでなくとも怪我をしていて弱っているのだから、そんな生存競争の激しい場所では
とても生きていけないだろう。返す返す可哀想なことをしてしまった。
いまや私にできることは無事を祈ることだけだ。
こうしてチビッコツインズはいなくなった。
チロにとってもようやく平穏な日々が戻った。
ツインズはそれぞれの場所で、その環境の中で生きていくことだろう。
2日後。
「あっ!」
窓の外には2日前捨てた、元気な方が座っていた。
「また帰ってきたのか・・・」
車で行ったはずなのに、どうして帰ってこられたのだろう?
この猫はメスで、毛並みは悪くないが目が悪い。
目の膜が半分かかったままなのだ。
神社に置いてきた猫に比べれば元気そうに見えていたが障害を持っていたのだ。
せっかく帰ってきたのだから私は家に置いてあげようと思う。
今度帰ってきたら、もう捨てに行ったりしないで飼おうと考えていたのだ。
チロはチビコが家の中に入ってくると、噛みついたり唸り声をあげて追い出そうとする。
(私はチビコ、父はクロ、母はトラコ、と呼んでいる(笑))
チビコは初めは抵抗していたが、最近はおとなしく退散するようになった。
だから、チビコはチロがいない間だけしか家の中に入れないし、エサ場も寝るのも外だ。
チロもチビコも夏なのでノミ、ダニだらけで私としてもあまり近寄りたくないので丁度いいのだが。
実は私はチロにノミをうつされて全身大変なことになっていたのだ。
ノミに20ヶ所あまり咬まれて絆創膏だらけ・・・(泣)
ま、そんなわけでチビコは外で飼われている。
あまりの猛暑のせいか、腹具合が良くないらしくお尻から液体が・・・
こうなってくると心配なのは神社に捨てたオス猫のチビオのことだ。
「今頃どうしてるだろう・・・」
もしかしたら賢いチビオのことだから帰ってくるかもしれない、と心のどこかで期待をしていたが
そこまでの体力がなかったのか、あれから一週間経っても帰ってこない。
病気のようでもあったから帰ってくる途中で力尽きてしまったのかもしれない。
捨て猫ツインズ。カメラ目線は、警戒心が強く賢いチビオ。
チビコはそんなことなど気にするでもなくバクバク食べつづける・・・この後、二匹は別れ別れになった。
なんの因果か我が家にやってきたツインズ。
人間様のご都合に翻弄され、彼らには彼らなりの悩みがある。
それでも、チビコのように食べて生きていられるだけ幸せというもの。
チビオもどこかで生きていてくれれば・・・無事を祈る!
(つづく)
8月25日(木)
「チビコの誘惑」
神社に捨てたチビオはついに帰ってこなかった。
そして、我が家に辿り着いたチビコはとりあえず外で飼われている。
そのチビコのことだが・・・
初めの頃はチロも戸惑い、アキレス腱に噛みついたり威嚇したりしていた。
そうこうするうち近所のオスの黒猫がチビコ目当てに我が家の庭に出入りするようになった。
チビコは逃げるでもなく黒猫に甘えたりしている。
その黒猫はチロとケンカしていた貫禄ある強いオス猫だ。
(もしかしたら、こいつからウイルスをもらったのかもしれない)
チロは連敗し続けているので、黒猫の姿を見かけただけで退散するありさまだ。
私は黒猫を追っ払おうとして庭に出て行くが、黒猫は悠然としたもので逃げようともしない。
「んもうっ!厚かましいんだから〜・・・あ!」
チビコが・・・
チビコがぁ・・・
まだちっちゃいチビコが・・・
そんなことしちゃ・・・
黒猫はロリコンか・・・
だから、チビコのお尻からウンチが漏れるようになったのか・・・
そうだったのか・・・
チビコだからお尻だったのか・・・
きゃー・・・
それでもチビコはチビコで抵抗もせず身をあずけている。
チビコ〜・・・逃げるんだ、チビコ〜・・・
そこはお尻だぞ〜・・・間違ってるから〜・・・
そんな黒猫の行動を草陰から盗み見ていたチロ。
これまで威嚇したり噛みついたりしてチビコを追い出そうとしていたのに、
そんな純真無垢なチロも目覚めてしまったのだ!
外で飼われているチビコの後ろを追い掛け回し、夜も家の中に帰ってこなくなった。
だんだんチビコが闇の皇帝に見えてきた・・・
カワイイ顔して二匹を手玉に取る魔性の女チビコ。
黒猫に犯されながらもゴロニャンとお腹を見せて誘惑し、
お尻が赤く膿んでも黒猫の後をついて行って誘惑し、
チロまでも悪の世界に引きずり込んでしまった。
チロは単純だからバカの一つ覚えで、もうチビコに夢中。
あ〜ん・・・こんな悩ましげなポーズとられちゃ〜
オヤジどもはいちころよ〜
まだ子供でちっちゃいのに、淫乱のチビコ。
このままでは子沢山。
人間に例えれば「子供が子供を作る」ようなもの。
もうじき、黒か、チロに似た白か、どっちがお父さんか分からない、孤児子ネコが
たくさん生まれてくるだろう。
「チビコ〜、おまえが「吉原炎上」の西川峰子だったなんて・・・」
このままではチビコの色香にチロは骨抜きにされ、尻の毛も抜かれてしまうだろうよ。
そして、いつまで経ってもチビコはウンチを漏らしてばかりだろうよ。
最近では家の中にも入ってくるようになり、チロのトイレを我が物顔で使うようになった。
すっかり我が家の一員になっている・・・
・・・やっぱりチビコはここに置いてはあげられない。
チロの危機を救うため、捨てに行かねばなるまいに!
そう思っても捨てられないチビコなのでした・・・
(おわり)
9月1日(木)
「花火大会」
お盆に花火大会に出かけた。
そこの花火大会、2万発を打ち上げるとあって、けっこう盛大で見ごたえもある。
花火大会といえば、ゆかた。
ゆかたといえば、アベック。
アベックといえば、イチャイチャ・・・
レジャーシートを必要以上に広げて、他の見物客の迷惑省みずゴロンと横になって膝枕。
家でやれよ!家で!
ゴロンと横になってるかと思えば、ムックと起き上がりイカポッポを頬張る・・・
そんなアベックに囲まれ、いよいよ花火が打ち上げられる。
ヒュ〜ン・・・ドドーン!・・・バチバチバチ・・・
ヒュンヒュン、ドドーン!・・・
オープニング花火はことさら盛大で、威勢よく打ち上げられた。
「(・・・きれい♪)」
そんな花火の美しさをかき消すかのように私の耳に飛び込んでくる、バカップルたちの声。
花火を見ながらの彼らの感想のお言葉である。
「ヤッベー・・・」
「スッゲー、ヤバイ・・・」
「超ヤバイ・・・」
「ヤバクねえ?」
「マジ、ヤバイ・・・」
「かなりヤバイって・・・」
おいおい、おまえらそれしか言葉を知らんのかよ?
携帯で話してる会話も
「いま、彼氏と花火みてんのー・・・かなりヤバイから・・・きゃはっ」
男も女も花火の間中とにかく「ヤバイ」しか言わない・・・
ここは‘ヤバイ共和国’かーっ!
郵政民営化問題より、こっちのほうがよほど深刻な問題だと思うんですけど・・・
9月2日(金)
「親不孝」
今、皆さんは幸せですか。
最近、私はこれまでの人生でも稀な、言葉で言い表せないほどの惨めで悔しい思いをしました。
それは結果的に親不孝なことです。
私は本当に親不孝者です。
なんと愚かで情けない娘だろう・・・
9月5日(月)
「よし川」
7月1日の「tuzi now」に木村屋というラーメン屋のことを書いた。
私は麺類全般好きだが、それは‘美味しい’という条件付だ。
それと、父が木村屋の味が好きだったように誰しも自分の舌に合ったお気に入りの店があるものだ。
今日は私が「美味しい!」と感じたお店のことを書こうと思う・・・
私が住んでいる田舎町には、いまだに外食できる店が少ない。
私が子供の時分はなおさらだった。
ていうか、外食などしたことがなかった。
あっても、ちっちゃな蕎麦屋とか個人経営の寿司屋くらいなもの・・・
そして外食産業が最初にこの田舎町に進出してきたのは、
ショッピングセンター内にできた巨大レストランだった。
そこは食券を買ってカウンターに出して・・という完全セルフのファミレスのような店だった。
メニューはなんでもあり!
ご飯物、丼物、ラーメン、そば、うどん、メロンソーダ、パフェ、スパゲティ、中華飯・・・
というように無国籍のうえにデザートまでなんでもござれ。
休日は買い物に来た家族連れで賑わっていたものだった。
そんな休日の過ごし方が一般的だったし、それしか娯楽のない町なのだ。
そして現在。
そのショッピングセンターも潰れ、街中にはファミレスが進出し、回転寿司屋ができ、
気がつけばコンビニ同様フランチャイズ店ばかりが増えた。
不味い店舗の数だけ増えてもこんなの嬉しくもなんともないが・・・
そんな店を除外すると、美味しい店を期待するなんて、ここでは諦めるしかない。
昔からあるドライブインに食べに行くほうがまだマシだ。
トラックの運ちゃんといっしょに刺身定食でも食べてたほうがずっと美味しいというもの。
そんな状況の中で私が唯一見つけた美味しい蕎麦屋がある。
その店は、母と買い物途中で偶然入った蕎麦屋だった。
1階が学習塾で2階がその蕎麦屋なのだが、学習塾の横にノボリの旗が立っていなければ
そこに蕎麦屋があるなんて誰も気がつかないだろう。
そんな分かりづらい場所にその店はあった。
しかも2階へ上がる階段にはデカデカとアコム(金融)のシールが貼ってある。
「なんか、アコムに用があって来てるようでヤナ感じね・・・」
そんなことを母と話したことを覚えている。
2階に上がってすぐがその蕎麦屋で、その奥がアコム。
変に誤解されそうな場所に蕎麦屋「よし川」はあったのだ。
間借りしている店舗も小さくて暗い。
細長い店内に入ってすぐ右に製麺室があって、左にかろうじて4人掛けのテーブルがふたつ。
奥に畳のスペースが横にあるが、そこにもテーブルがふたつ。
16人くらいで満員。
いつもテレビがつきっぱなしで、漫画本が置いてある・・・
よくありがちな田舎の蕎麦屋だ。
そんな「よし川」を切り盛りしているのは麺を打って料理するご主人と、
それを運んでレジ係り兼任のぽっちゃりした奥さんのふたりだけ。
このご夫婦、どちらも愛嬌がない。
ぼそぼそとしゃべる。
いつも5歳くらいの男の子が店内と厨房を行ったりきたりして遊んでいる・・・
(ま、妙にテンション高いお店よりずっと好感が持てるが)
初めて行った時さして期待もせず母と私はうどんを注文した。
ひとくち食べて「これは!」と思った。
なんの変哲もない、うどんだが太からず細からず、実に美味しかった。
それからというもの、買い物に出かけると「よし川」に寄って・・・
母も私もすっかり「よし川」のファンになってしまった。
口コミで広まったのだろう、お昼時を過ぎて行ってもけっこうお客さんはいるし、
お店の近くに住んでる知り合いの人に宣伝しようと話題にすると
「あー、そこなら私もよく行くのよー。美味しいわよね」
とけっこう評判になっている。
しばらく経ったある日、久々に出かけてみると、閉店の張り紙がされていた。
たまらず「どちらかに移転されるんですか?」と奥さんに聞いても「いいえ」と短く答えるだけ・・・
残念。
せっかく見つけたのに・・・(涙)
そうして、「よし川」は消えた。
それから何年か過ぎた・・・
返す返す(母「よし川のうどんは美味しかったねえ・・・」
(tuzi「あんなに美味しいうどんにはお目にかかれないね・・・」と懐かしんでいた。
そんなある日、私の運転で助手席に乗っていた母が
「あら?」
「なに?」
「あの旗・・」
「よし川?あの‘よし川’?」
間違いない。
あの‘よし川’の字体だ。
お店建てたんだね。
以前あった場所からだいぶ離れた所だが、同じ町内に土地を求めたのだろう。
今度は駐車場もあります♪
よかった♪
またあの味が食べられる(嬉!)
木村屋のように同姓の「よし川」ではなく、あの愛嬌のないご夫婦の蕎麦屋でした。
製麺所も別棟で建てて2階は住まいになっているようです。
時々、成長した息子が厨房でお手伝いしているみたいですし、
メニューも増えて、これからがますます楽しみです♪
ただひとつ気がかりなことが・・・
以前は1,000円以上のメニューはなかったはずなのに、かも南蛮ソバが1,200円。
頼む!
高級志向に走らないでくれー!
私の好物「とろろうどん」は青海苔たっぷりなので歯が青海苔だらけになるので要注意(笑)
一番のお薦めは生姜たっぷり具だくさんの「冷やしたぬきうどん」です。
蕎麦もうどんも手打ちで、ご飯物もあります。
うどんをご賞味あれ・・・
え?
そんなに美味い蕎麦屋なら行ってみたいって?
どこにあるのか教えろって?
ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ・・・
・・・それは教えらんねえな(笑)
9月9日(金)
「絶望」
ひとつひとつ散らばった思い出を すべては運命だと割り切ってみるにはまだ若すぎる
泣かない 泣かない 泣いたってもう戻らない
ひとつひとつ集めてつなげても すべては永遠だと信じられるほどの若さはもはやない
いらない いらない もうなんの要求もない
縋る神さえいないなら ここで沈黙に浸るだけ
それは大きな海に 深い海の底に 膝を抱えて座っているように
音もなく 息もせず 月の光さえ届かない れっきとした絶望
詞:KAN「月海」より
9月10日(土)
「フーテンの寅」
映画「男はつらいよ」の全48作の放送がBSで始まった。
2年がかりで全作品を一挙放送する予定だそうだ。
以前、知人が「レンタルビデオで48作を観た」というのを聞いた時は
「そこまでしてなんでわざわざ・・・」と思ったものだった。
なぜなら、テレビの「水戸黄門」みたいにどれも金太郎飴のようなストーリーだと思っていたからだ。
実はそう言う私も、ひとつひとつに深い意味が隠されていてついつい最後まで
観てしまうのも確かだったので、寅さんの生い立ちについては大いに興味を持っていた。
だって、さくらと博の馴れ初めすら知らずにこれまで見てきたわけだから・・・
それで、私もこの放送を機会に全作制覇しようと第一作から見始めたというわけだ。
やはり第一作から見ての収穫は大きかった。
例えば、さくらと寅さんは本当の兄弟ではなく、実は腹違いだったとか・・・
さくらと二人きりの兄弟ではなく、実は秀才のお兄さんがいたとか・・・
寅さんの産みの母が生きていたとか・・・(←ミヤコ蝶々)
さくらの夫、博さんのお父さんは大学教授で専門がインド哲学だとか・・・
さくらの息子、満男は生まれつき寅さん似で、そう言われるのをさくらは嫌がってるとか・・・
箒を持って登場する寺男の源さんは、以前寅さんの子分だったとか・・・
寅さんが惚れっぽいのは病気で・・・
いや、周りが早く所帯を持って落ち着いて欲しいと思っている気持ちを汲んで
実はそんなプレッシャーが惚れっぽい病気の寅さんを造り上げたのではないか・・・
なんてことも見え隠れしてくる。
とにかく、第一作は感動的だった・・・
第二作の坪内先生(東野栄治郎)がこれまたよかった・・・
第三作の最後、テレビに寅さんが出てきちゃって、とらやの人たちが驚くシーンが物悲しかった・・・
第四作はハワイに行きそびれた回で、私のお気に入りだ・・・
寅がまた旅に出る最後のシーン、自転車の車輪がカラカラ・・と回る。なんとも悲しいシーンだ・・・
お気に入りといえば第八作、冒頭の旅回り一座を訪ねるシーンが好きだ。
最後のシーンで再会し旅を共にするシーンは心温まる・・・
第十作は何度みてもいい。すごく好きだ。
インテリ嫌いの寅さんと岡倉先生のからみ、源ちゃんとインテリをいじめるあたりもたまらない・・・
それに寅さんは振られっぱなしというのでもない。
第8作では別に振られたわけでもないし、第10作では逆に寅さんのほうから振ったというに近い。
八千草さんと所帯を持って落ち着くチャンスだったのに・・・
第10作には私が涙したセリフもある。
それは旅に出る前さくらに本当のことを話そうとして寅さんの言った一言だ。
「さくら、ほんとはな。ほんとは・・・まぁいいや、なんてこたぁないんだ・・・」
男だ!
男はつらいよだ!
肩を落として「なんてこたぁないんだ・・・」と何も言わず飲み込んだ寅さん。
偉いっ!
男の中の男だ!
寅さんはケンカっぱやくて、手に負えなくて、困った存在なのだけれど
でも、時には紳士で大人で哲学者になってしまう。
とにかく、第一作から順番に見てると、それはそれで大きなストーリーになって見えてくるものだ。
社会背景も勉強になります。
昭和44年頃は‘人手不足’だったんですねえ・・・
今じゃ、考えられないような時代だったってことですよね。
まだ10作までの放送です。
これからは甥の満男の成長も楽しみです♪
深いです。寅さんて深いです。
あったかい人です。あったかさを求めてる人です。
単純で悪気のない人です。
可哀想な人です。
幸せになって欲しいと誰もが願っているのに、なぜかなれない。
「バカだねえ・・・」
でも、大きな声じゃ言えないけど、実際問題こんな人が身内にいたらメチャメチャ迷惑かも・・・
寅さんを熱く語る月虎さんのサイトです
9月12日(月)
「結婚とは」
結婚経験者に問う。
あなたは結婚によってより幸せになりましたか?
あなたにとって結婚ってなんですか?
9月15日(木)
「迷惑メール」
いやあ・・・迷惑エッチメールがすごいことになってきました。
送り先は全部hpのアドレスになっています。
用件のあるメールがゼロで、エッチメール13件受信した時には
さすがにメールアドレス変えようと思いまして。
日に20件を越えるようになってきましたし、減る気配もなくむしろ増えてきてます。
迷惑メールの嵐です。
ところでエッチメールって男性宛のみなのでしょうか。
女性対象のそういうのってないのでしょうか。
私のところに送られてきたのは男性対象のものばかり。
「男性の登録無料!即紹介!」
「本気で結婚を考えているあなたへステキな女性紹介・・」
「人妻をあなたに!」
「先日は楽しかったわ♪また会いたいです♪」
身に覚えありませんから!
ユリちゃん?
知りませんから!
他にもここには書けないような恥ずかしいメールタイトルの嵐。
もう、いい加減にしてくれよ。
私、これでも女ですから!
そんなんもらっても・・・
そんなわけで9月12日、メールアドレスを変更しました。
以前のアドレスは使えませんので、どうぞこちらのメールフォームを再度ご利用下さい。
今のところはなんとか静かになりましたが、
この先またメルアド変更を余儀なくされることがあるかもしれません。
その時はご了承のほど宜しくお願いいたします。
9月19日(月)
「お墓参り」
明日9月20日は彼岸の入りです。
今日はお墓の掃除に来ている人がたくさんみられます。
自分が入るお墓にはご先祖様がおいでになります。
お線香を手向け花を供える。
礼儀です。
ご先祖様にはそのまたご先祖様がおいでになります。
本家、分家、縁(ゆかり)のあるお墓・・・
同じお寺にあるのなら回ってお線香を供えます。
当然の事です。
お盆、秋彼岸、春彼岸。
怠ることなかれ。
我が家はお寺にほど近い。
ほんの10分の時間があればたやすい。
しかし、その気があればのこと。
どんなに近くとも、どんなに時間があろうとも、その気のない人間には考えの及ばぬこと。
誰かに言われてからすることではない。
誰かが言うことでもない。
このこと万事が万端に通ずる・・・。
9月20日(火)
「車上荒らし」
車上荒らし、ってこういう字でよいんでしたっけ?
駐車中の車から物品、金品の類を持ち逃げする行為。
たとえ、車に鍵がかかっていようがいまいが盗んでしまう。
スーパーマーケットでお買い物中に盗みにあうケースが多いようですが、
自宅に駐車していた車の中からも、ということもあるらしいです。
私なんか、どこに買い物に行っても鍵などかけないし
(自動ロックではないのでいちいち4ヶ所のロックを手で押さなければならない・・・面倒)
自宅に停めている時などは鍵を車内に置いたまま、窓を開けていたりまでする無防備ぶり・・・
それでも盗難にあったことは未だない。
ポンコツ軽自動車、今時マニュアル車、ということもあって盗難とは無縁と思い込んでいる。
銀行に用事で行った時の事。
同級生(女性)にバッタリ会った。
嫁いで実家を離れているはずだが、最近ちょくちょく見かける。
「昨日ね、お彼岸だからお墓の掃除に来たのよ」とマユミちゃん。
私も朝一番で墓参りして来たところだった。
「ああ、そうね。お彼岸だものね。お墓参りは済んだの?」
「それがさあ、お墓掃除してるうちに車上荒らしにあっちゃって・・・」
「え?お寺の駐車場で?」
「そう・・・(ガックシ)」
「あの、田舎のお寺の?」
「そう・・・(ショック)」
田舎のお墓というのが我が家の目の前にあるお寺のことなのだが、
こんな田舎の、我が家の目の前のお寺の駐車場で白昼堂々車上荒らしがあったなんて・・・
私も信じられない思いだ。
マユミちゃんは車内に置いていたカバンごと盗難にあったらしく
そのカバンには、財布はもちろんの事、現金、キャッシュカード、運転免許証まで入っていたという。
「さっそく銀行で引き落とされてたの・・・暗証番号を誕生日にしていたから・・・」
おまけに土地を買おうという大金までゴッソリ盗難にあってしまったのだと。
「ほんとうは明日旅行に行くはずだったんだけど、それもキャンセルして・・・(どよ〜ん)」
「それは大変な災難だったわねえ・・・」
「tuziちゃんも鍵かけないと!」
うん、そうだけど・・・
私、鍵をかけても車内にカバンを
置きっぱなしにしませんからー!
残念ー!
「ところでマユミちゃん、S市だったわよね?」
あんまり実家付近で会うから思い切って聞いてみた。
「ううん、出戻ったの」
「・・・離婚したの?」
「そう・・・」
「最近?」
「もう・・・10年位かなあ」
「そんなになるのぉ?」
「それで実家の後ろの土地が売りに出されてたから買おうと思ったその資金まで・・・(涙)」
「それってかなりの大金じゃないのよぉ!」
離婚しても羽振りはよいのか?
離婚したから羽振りがよいのか?
それにしてもなんでまた、そんな大金車内に置いてお墓の掃除などしていたものか・・・
私、あんたのように大金持ち歩きませんからー!
てか、大金などそもそもどこにもありませんからー!
残念ー!
でもま、用心に越したことはありません。
お墓の掃除に来た殊勝な心がけの人から盗みをはたらく者がいる物騒な世の中です。
‘私もこれからは気をつけようっと!’
・・・と言わざるを得ない世の中って情けないと思うのは私だけでしょうか。
9月22日(木)
「結婚指輪」
結婚指輪って、ふつう外さないものですよね?
手洗う時も、風呂に入る時も外したりしないものですよね?
それが結婚指輪ってもので、基本的には生涯外さないものですよね?
公の場に一度でもして人目に触れさせたらなおさらですよね?
「あら?あの人、今日も指輪してないわ・・・??」
なんてことになってしまっては奥さんが心配しませんか?
それがただ「忘れただけ」でも・・・
「あら?もう何日も指輪はめてないわ・・・??」
なんてことになっては会社の人も戸惑いませんか?
それがただ「忘れただけ」でも・・・
だって男の人も女の人も、常日頃から嵌めていない限り、外す時は何か訳ありですものね。
何か特別の時しか嵌めない人でない限り・・・
特別の成分の温泉にでも行かない限り・・・
それなのに、その日の気分次第で嵌めたり嵌めなかったりだとしたら、
それは愛情に関わること・・・
気軽に責任放棄したりするのとどこか似ている・・・
だってまるでファッションリング扱いだもの!
9月25日(日)
「畳」
我が家は田舎にあって、周りは田んぼに囲まれている。
昨今は、本業のお勤めを持ちながら休みの日に農家の仕事をする若い人たちに
代がわりしている家がほとんどで、専業農家はほとんどなくなってきている。
何十枚と田んぼを持っている‘大農家’でさえ、今は機械もあることだし専業するまでではない、
というのが現状なのかもしれない。
兼業農家の中には、その‘大農家’に農業の仕事を一任して、という家も増えてきているようだ。
少し前までは、大型機械を数軒の農家で共同して購入して作業に当たっていたようだが
高価な上に故障も多く、採算が取れないというのだ・・・それに減反政策が拍車をかけている。
さほど多くもない田んぼに高価なトラクターやコンバインを導入するまでもない。
そう考えるのは当然だろうと思う。
(我が家は農家ではありませんので詳しい事情はわかりません。あくまで私の想像です)
その田んぼが収穫の時期を迎えている。
‘遅く植えて早く刈り取る’が奨励されているようで、
田植えの時期は以前に比べ微妙に遅く、稲刈りの時期も微妙に早まってきている。
それに台風が来る前に刈り取らないと稲が倒れたり、
水浸しになったりで収穫に差し支えるので時期を逃すと大変なのだ。
この9月の連休に遠くに住んでる息子さんも手伝いに帰って稲刈りをする、というのが定番のようだ。
今はコンバインなる大型の機械があって、刈り取るのと同時に籾粒にしてしまう。
その時刈り取った茎は粉々にして田んぼにばら撒かれて、はいおしまい。
籾粒になったのを袋詰めにして(これも自動でコンバインがしてくれる)
農協の乾燥センターにもっていって、乾燥機にかければ、その日のうちに新米のできあがり!
これがほんの数年前までは機械を使うにしても工程が違っていた。
稲を刈ったら、田んぼに杭掛けをして、数日間日干し乾燥する。
それを脱穀機にかけて籾殻にして、新米になる。
日干しにすることで米の美味しさに差がでるのだそうだ。
様々なブランド米があるが、日干しにしたのと乾燥機で乾燥させたものでは
味に違いが出るのだそうだ。
といっても、今や大型機械が主流の農作業。
農薬散布で害虫駆除、おかげでイナゴやドジョウも跡絶えた・・・
そんな手間暇かけない農作業に変わりつつある。
誤解しないで欲しい。
私は何も、農業を営んでいる人をどうこう言うつもりはこれっぽっちもない。
お百姓さんの怠慢だ、なんてことを思っての発言でもありません。
農業に携わったことのない、農業ド素人である私の目に映る現状を言っているだけです。
でも、減反を余儀なくさせている日本政府の農業政策には少なからず疑問を持っていますが・・・
とにかく、稲刈り後の田んぼに杭がかかっているなんてお目にかかれなくなってしまった。
時々見かけても、それは自宅で食べる用のお米か、都心の高級料亭や寿司屋から
特別注文されて作っている田んぼだと聞く。
日干しにすれば藁が残る。
昔は我が町にも「藁店(わらや)」という藁を扱って商いにしている商売があったが、
それも姿を消した。
田んぼからは毎年、不要になった藁がでるものだ。
それを農家から買って商いにしていたのだが、例えば競走馬に食べさせる藁、畳の原料などだ。
その仲介をしていたのが「藁店(わらや)」だったのだ。
農家にとっても藁が売り物になるのだから大助かりだし、持ちつ持たれつ。
需要と供給の見事なバランスだ。
ところが、昨今は田んぼから藁が出ない。
コンバインが粉々にして田んぼにばら撒いてしまうからだ。
「藁店(わらや)」は商売が成り立たなくなり、よって畳店も原料の藁が手に入らなくなり
昔ながらの畳が作れなくなった。
ま、現代風の新築住宅はフローリング主流で畳の需要は減ってきていたようだが・・・
とにかく、お米の農業は日本の経済を支える基本中の基本だと私は考えています。
競走馬が飼えない・・・
赤字つづきだからで、藁の問題でないにしろ地方競馬がのきなみ閉鎖・・・
日本家屋に欠かせない畳の需要が洋風ブームのあおりで減少し、
それよりもなによりも日本文化の象徴であるはずの畳の原料が手に入らず
今の日本では畳が作れない・・・
なにごとぞ!
相撲の土俵、柔道、茶道、邦楽・・・といった世界に誇る日本文化の数々。
フローリングでできるかっ!
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