2013年7月-12月

7月1日(月)

「飴を食べて」

以前、正月の発売りで‘飴の詰放題をした’という話しをしたと思います。
ところが、正月だけじゃなく、てここのところは頻繁に、週に一度は開催されるようになりました。
ならば、と‘飴の詰放題’に行き当たった時は、買い物ついでにするようになりまして。
なので、我が家のテーブルには飴が常に出ています。
父は、口が寂しくなると、テレビを見ながらポリポリ飴を食べている。
一度の詰放題で、結構な量の飴になるので、一週間は食べ続けられます。
父は午前中で10個くらいはポリポリ・・・
一日で20個くらいはポリポリ・・・消費してるみたい。
買い物などに出かけたことのない父も、ついに
「オレも飴の詰放題でもして来るかな」なんて言うようになりました。
だから我が家の飴のストックはなんだもない。
(なんだもない=とんでもなく多い)
私も、なんだかんだで一日に20個くらいはポリポリ・・・
食後にポリポリ・・・
ブルーハワイ味が一番好き♪
マンゴー味、キウイ味・・・5、6個はあっという間にポリポリ・・・

そうこうするうち、父が体調を崩した。
下痢が止まらないと言う。
たぶん、もともと肝機能が悪かったので、暑くなってビールなど飲みだしたから
悪化してきたのではないか。
ご飯も食べなくなって、ひどそうだ。
冷たいものは飲まないようにして、食べると下痢をするというので、
食べないせいか体に力が入らないようだ。
だからといって、食欲がないわけでもない。お腹も痛みはないそうだ。
とにかく食べると下痢をするのだそうだ。
ついに医者に行って、処方された薬で徐々に快方に向ってきているようす。
父が体調崩して一週間ほどした頃。
つい3日ほど前のことです。今度は私が突然の激痛。
おかしいな。
お腹が冷えたわけでもないし、食べ物も野菜ばっかで心当たりがない。
このところはキャベツとキュウリばっか。旬なのでご近所さんから集まってくるんです。
激痛に襲われるふしが見当たらないのです。
おかしいな。
ま、原因不明で突然激痛に襲われることは、たまにあるけど、
こうも毎回食べたら激痛というのはないぞ。胃というより腸が激痛なのだ。
困った。
全国大会も近いのに、これじゃ競技にならない。
父に「いやあ、まいった・・・」
父の場合、お腹は痛くなかったが、私は激しい痛みがある。少し症状が違う。
「うつったわけじゃ無いよね」

と、ここで父が意外なことを口にした。
「飴じゃないか?」
「はあ?」
「飴の食べすぎだよ」
「なんで?」
「勘」
「なにそれー?!」
「オレ、飴だと思って食べないでいたら、自然に治ったんだ」
「そーなのぉ?」
「おまえ、今日何個食べた?」
「うーん・・・」
私はゴミ箱の中の包み袋を数えてみた。
「・・・9個」
「ほれみろ、そんなに食べてんだぞ。オレだって一回に10個くらい食べてたからな」
私なんか何も疑わず、激痛に襲われても、食後に飴を何個も食べてたもんね。
まさか、飴食べて腸を悪くするなんて、思いもしないじゃん。
半信半疑だったが、試しに父の言うとおり飴を食べないようにしてみた。
すると、どうだろう。
激痛はウソのようにピタリと治まったではないか。

糖尿病ならいざ知らず、まさか飴の食べすぎで腹痛起こすなんて・・・
父の勘、的中!スゲー・・・
それからというもの、父も私も飴を一粒たりとも口にしていない。
もちろん、今でもテーブルの上には飴が常備されています。
下剤としてね。



7月4日(木)

「西島さん、U」

中島さん、木島さん、西島さん・・・
西島秀俊さんは、このところCM出演がやたら多い。
朝の某番組のCMなどは、ほぼ西島さん一色だった。
どっかの軽自動車のCMではチョコレート売ってる小ジャレタ店のカッコいい店主。
客が買った品物を忘れて、それを届けるカッコいい店主。
ついでに自動車の中を覗き込む、ちょっとありえない店主・・・
それから、おなじみローソンのCM。
ロールケーキ家族編から始まり、「男でも大福食べるんだぞ」
「こんなにカッコよく大福が決まるんだぜ」と、ばかりに大福をほおばってみせる。
最近はなんたらかんたらやたら長い横文字のアイスクリームみたいのを食べてみせ、
鼻の先にクリームつけちゃう、ちょいカワイイ男として登場。
世の女性たちがグラッ、とくるのを狙ってませんか?
完全に狙ってるCMですよね?
「私は騙されないぞ」と思いつつも、西島さんがCMで映るたび「ハッ♪」としてしまう私です・・・


そして、またも登場したのは、アリナミンEXのCM。
・・・いやあ、これはどうなの?
「腰痛い〜」「肩痛い〜」から始まって、アリナミン飲んで「スッキリー!」「効いたー!」みたいな・・・
どうなの?
なんか、違うんじゃないの?
なんで引き受けたんだ?
西島さんのすること、時々理解できないことがあります・・・



7月8日(月)

「東京体育館2013」

7月5日(金)〜7日(日)の3日間、千駄ヶ谷の東京体育館を会場に、
全日本武術太極拳選手権大会が開催された。
今年は第30回の節目の大会である。
県大会では低迷を続けている私であるが、昨年の全国大会から私の中で何かがフッ切れた
でも、フッ切れるまでは長い長い年月がかかった・・・

私が独学で孫式を勉強し始めたのは、今からちょうど10年前のこと。
李先生のカッコいい孫式に憧れたことがきっかけだった。
独学であるから、始めはそりゃ分からないことだらけ。
というのも、技の攻防を知らねば動けないわけで、形だけはそれなりに動けても、
なんだかイマイチ判然としない・・・胃もたれしてる感じ。
独学の私にとって頼りは書物や映像。中国から取り寄せながら、少しずつ解消してきた。
だけど、全国大会に行って他の選手を見て迷ってはブレブレになった。
いまだに、大会的にどれが正しい動きなのか判断がつかない。
「自分の信じる孫式をするだけっ」と自分に言い聞かせるが、
他の選手を見てしまうと、そちらが正しく見えてしまい、右倣えしたくなる気持ちを抑えられない。
そんな時期が何年も続いた・・・

そうこうするうち、縁あって東京に孫式を習いに行く機会を得た。
とは言うものの、20人くらいの中で動いているのだから、個人的にアドバイスもいただけない。
何度か習いに行ったのだが結局、疑問が解決されることはなかった。
まずもって金銭的に続かなかった。
謝礼に加えて往復の新幹線代に宿泊代。1時間弱習うのに少なくとも3万円は飛ぶ・・・
お世話になった先生方には大変申し訳なく思っていますが、長くは続きませんでした。
どうぞ理解してください。

3年ほど前から県大会に強力な選手が現われた。
彼女は連盟のホープ。審査もするし、集団の選手でもある、いま絶好調の選手だ。
背はモデルなみに高いし、足も長くてスタイル抜群で、おまけに美人。
かたや私は連盟に所属してない個人参加。
背も低けりゃ、足も短い。体型も丸っこくて、もちろん美人なはずがない。
「敵いっこないじゃん・・・(イジイジ・・・)
だけど、孫式のキャリアだけは私のほうが、はるかに長い。
孫式に対するウンチクだってあるし、それなりのポリシーを持って臨んでいる。
「初出場の彼女に負けたくない、いや意地でも負けられない」
1年目はなんとか面目も保たれたが、それも束の間、2年目にはアッサリ抜かれた。
しかもいきなりの高得点・・・

県大会は目をつむるとして、「決戦は全国大会!」と、
同じ県代表として臨んだ全国大会でも、やっぱり彼女に敵わなかった私は
「もうヤダっ!」
面子丸つぶれの私はヤケを起こし2010年の県大会欠場。
だから2011年の全国大会には出場できませんでした。

でも、これでは終われない。
こんな終わり方では、これまで孫式を続けてきた自分に対して恥ずかしい。
第一、負けを恐れていたのでは何事も始まらないではないか。

1年欠場して、そう考えた私は再度選手として挑戦することを決めた。
決めた、と言っても、ただ出場の申し込みを恥をしのんでエイッ、としただけだが・・・
再挑戦2012年県大会。
套路を変えたのが失敗だった。横の移動が極端に小さくなってしまった。反省・・・
得点も伸びず、やっぱり負けた・・・
全国大会行きの切符は手に入れたが、套路を全面的に見直さなければならない。

今年は本番前の6月30日に教室の発表があった。
全国大会と発表のための練習期間が、もろにかぶってしまった。
生徒さんたちの練習にかかりきりで、私は大会用の練習に本腰を入れられないでいた。
集中して練習を始めたのが、7月に入ってから。
結局、練習不足のため、タイムが一定にならず、かなりムラができてしまう。
30秒残しになったり、はたまた1分近くオーバーしてしまったり・・・
私、初めて競技ルール開いちゃいました。
5秒オーバーで0.1の減点、10秒オーバーは0.2の減点になってしまう。
0.2は大きいよね。
こりゃ、いかん。どうにかせねば・・・

試行錯誤を繰り返し、本番当日を迎える。。
新宿経由で千駄ヶ谷到着。
荷物をロッカーに預けて太極拳用品お買い物。
(生徒さんたちの物ばかりだけど)
戻って、お昼はモスバーガー♪
(私の住む田舎町にはモスバーガーがない)
一休みしてから、練習場へ。
何度か通してみた。
だいぶふり幅は縮まってきているが、やっぱり、まだ時間が定まらない。
私は3分経過で鳴る笛の合図で調整することにした。
練習場は暑くて・・・
「やめ、やめ〜」
私は早々に練習をきりあげロッカールームでしばしボーッとしていた。
が、ここにいても仕方がないので、だいぶ時間があるが受付することに。
会場袖で待ってる間ストップウォッチ片手にイメージしながら何度もタイムを計って過ごす。

私たち女子が入場した時、まだ男子の選手が表演中だった。
私はボーッと見ながら
「A選手の方が高得点かも・・・」
結果は
「えっ!?逆だった・・・」
「今度のA選手、架式高いし、動きも小さい・・・」
でも結果はなぜか
「ぎょっ!?なんと高得点!なんで??」
そんなことの繰り返しで、私の予想はことごとくはずれた。
「何が良くて、何がいけないのか分からん・・・さっぱり分からん」

そして私たち女子の競技が始まった。
私は、何が良くて、何がいけないのか、さっぱり分からん、なのだけれども、
それ以上にタイムが気になっていた。減点だけはされたくない。
かといって早く終わりすぎるのも不本意だし。4分きっちり動いて終わりたい。
・・・3分経過の笛が頼りだ。

コート入場。
しっかり息を吐いて、落ち着いている。(と思ってる)
二起脚もきまった。(と思ってる)
脚上げもきまった。(と思ってる)
独立もきまった。(と思ってる)
しばらくは大技もない。あとはタイムだけ。
3分経過の笛が鳴った!(聞き取ることができた)
調整する。
後半の脚上げもきまった。(と思ってる)
蹴りもまあまあ、失敗はない。(と思ってる)
私は終始冷静を保って終えることができた。あとはタイムだけ。間に合っただろうか・・・
得点。
8.60
(これ書いちゃったら、tuziがどこの誰だか知れちゃうじゃん)
減点はない。よかった〜。
微妙に表彰式もなさそうなので、私は着替えて、最後まで見ずに会場を後にした。
(選手がそんなことではイカン!お叱りごもっとも。すいませんでした、反省してます)

翌日、千葉在住のM氏に猛暑の中わざわざ、最終結果を見に行っていただいた。
ほんと申し訳ない、ご足労かけました。感謝申し上げます。
結果。
8位
(だから、これ書いちゃったら、tuziがどこの誰だか知れちゃうじゃん)
6位までが入賞。
惜しい、少し足りなかった。
少しとは言っても、0.01上げるのがどれほど大変なことか。
上位に行けばいくほど、その重みは増してくる。0.01の差が勝敗を分けると言ってもいい。
今年の1位と2位は同点にも関わらず、勝敗が分かれたんだから。

私は今年の結果を、素直に嬉しく思っています。
諦めずに挑戦してよかったと感じています。
「なせばなる なさねばならぬ何事も ならぬは人のなさぬ成りけり」

選手は入賞といわず、メダル圏内に入れるように臨んでいるはず。
大会そっちのけで東京を満喫しているかのような私とて、それは例外ではない。
私はただ、努力のあとを見せるのはダサいと思ってるので・・・
人前で練習をするのは恥ずかしいことと思っているので・・・
とにかく、この成績が一年きりのことで終わらせないためにも、今後も気を引き締めていこうと思う。
大会に選手として臨んでいるからには「勝つことに意義がある」と誰しも考えているはず。
それが大会だ。選手だ。競技だ。厳しい勝負の世界・・・

今年は珍しく早い出番で、しかも相手に気をとられることなく自分のペースが保てた、って
こともあったし、表演服がシルクだったってこともあるし、
組んだ相手が強豪選手だった、ってこともあるし・・・もろもろの条件が重なっての、好成績である。
だから、この結果は一喜一憂できるものではない。
勝敗は時の運。
運に頼らない真の実力を身につけられるよう、今後も練習あるのみ。
運をみかたにできるよう、人知れず練習あるのみ。
今年以上の成績が出せるよう、練習あるのみ。
目標は、李先生にマトモに見てもらえるようになること・・・



7月10日(水)

「横浜中華街2013」

7月5日(金)〜7日(日)の3日間、千駄ヶ谷の東京体育館を会場に、
全日本武術太極拳選手権大会が開催された。
これまでずっと最後の方の出番だったのだが、今年は珍しく早い出番だった。
自分の出番が終わって、すぐに着替えて会場をあとにした。
本来ならば、自分の出た競技は最後まで見学し、
全選手の最終結果が掲示板に張り出されるのを見届けるべきだ。
それが選手としての努め。
分かっちゃいるけど、お腹が空いたんです・・・

帰りは昨年と同じく夜行バス。新宿発夜中の12時。
たっぷり時間がある。
ならば、なおさら競技を最後まで見届けるべきじゃないのか?!
申し訳ありません、反省してます・・・
今年は時間がたっぷりあるので、中華街に行こうと考えていた。
千駄ヶ谷から澁谷、澁谷から東横線で中華街。
私が最後に中華街に行ったのは今から・・・10年も前?・・・そうだっけ?
覚えてないくらい経ってる、ってこと。
当時は、澁谷から東横線桜木町終点。そこから関内か石川町まで乗り継いで中華街方面に歩いた。
なんかさあ、新宿三丁目から乗れるんだって?
しかも、みなとみらい線直通で元町・中華街駅があるんだって?
ふ〜ん・・・
でもさあ、新宿から新宿三丁目駅まで歩くのって、面倒じゃない?
だって〜去年さあ、雑踏の中歩いてかなり時間かかってるんですけど。
だったら、澁谷から乗ったほうがよくねぇ?
そう考えて、渋谷まで出ることにしたんだけど、思えば新宿から澁谷って、
山の手線に乗り換えなんだよね・・・乗り換えすっかり頭になかった・・・だいぶロスしちゃった。
で、澁谷に出たら、東横線の駅って、地下になったんですよね?これもすっかり忘れてた・・・
新しくなってキレイはキレイだけど、遠いのなんのって。
電車に乗ってしまえば、早いんだけどね。特急だとあっというまに着いちゃった。
元町・中華街駅もキレイで、天井がフランス、っぽい駅舎だった。
横浜風に帆船のモチーフが描かれていたりして。

駅名からして、もっと間近なのかと思った。
地上に出たらもう、中華門だった、とかね♪・・・それは違ってました。
さあ、まずは食事だ。お腹が空いた〜。
どこにしようかな〜
以前に来たとき、腸粉食べたお店があったんだけど・・・どこだったか忘れちゃったしなあ。
お粥が美味しいという‘安記’に行ってみようか・・・
香港路に入る・・・う〜ん、ちょっと店構えが違うな。てか準備中だし!
・・・んじゃ、また‘馬さんの店’に行っちゃおうか。あそこならなんでもあるし。
長安道にある‘馬さんの店’は店先に人形があって分かりやすい。
人形の横に椅子を出して、いつも馬さんが座ってご飯食べてる、そんなお店です。
お昼の時間帯を過ぎていたので、店内は空いていた。
龍仙粥と海老餃子、海老シュウマイ。
どれも美味しいんだけど、お粥でお腹いっぱい・・・シューマイが美味しかった♪
お粥は、もうちょっとネバネバしてるほうが好み。ちょっとサラッとしすぎ。
私、お粥と腸粉にはうるさいんです。
てか、腸粉を語らせたら日本一ですからー。
ぷ〜〜〜、満腹〜・・・
どれ、腹ごなしにちょっと歩くか。
まずは関帝廟にご挨拶。なーんて線香もあげずに顔だけ見て。
おみくじだけ引かせてもらおうと思って、片足入れようと上げたら
「オセンコウアゲテカラッ!」
って怒られた。上げた片足を下ろさずひっこめるtuzi。
「(怖いなー)」
おみくじは次回に持ち越そう。
ぶらぶら・・・おみやげ物店をのぞく。
鍋つかみパンダの新柄が出てる。いや、前々からあったのかな?
家で使ってる鍋つかみも、前回中華街で購入したパンダ柄だ。(てことは10年間使ってる、てこと?)
とにかく新柄もゲットだ。

名づけて、ブルース・パンダ鍋つかみ
あちょー

久しぶりに中華街ぶらぶらしてるんだけど、前回来た時とおんなじ。
これといって目新しい物がない。時間が止まってるみたい。
次来た時は、劇場で京劇観るのもいいかも・・・
そして、やたら目に付くのが‘手相995円’の看板。
私はこれまで手相を見てもらった事がない。
1,000円におつりがくるくらいなら、ちょっと見てもらおうかな。
そんな気持ちが相手に見透かされたのか「どうですか?」と声をかけられた。
それがきっかけになって座った。
何か見てもらいたいことなど聞かれるのかと思ったが、そんなことはなかった。
聞かれたとしても、特別これといってなかったから助かった。
しいて言えば「将来の運勢」くらいでしょうか。
ざっくりしてんなー。
黙って座って手を広げて見せた。
手相見のお姉さんは、派手な中間色の青いマニュキァにシルバーのキラキラを爪につけている。
私の手の厚みをぷよぷよ押して「健康です」と言った。
そりゃ、手相じゃなくとも、顔見たら分かるでしょ。
お姉さんは、さらに私の手をぷよぷよ押して「ガンバリやさんです」「中途半端がキライ」
「なんでも極めないと気がすまない」と続けた。
ガンバリやさん?
私は努力のあとが見え見えなのはダサいと思っていて、
そんな風にだけはなりたくない、と思っている。それ以前に‘努力’とか‘根性’という言葉が大嫌い。
‘ガンバル’なんてもってのほか。だから私はガンバリやさん、ではないんじゃ?
「いやあ・・・?」
お姉さんは私の手を確認して「そうですよ!あなたは負けず嫌いです!」
負けず嫌い?言いきっちゃった?
負けず嫌いとガンバリやさんはいっしょなの?
「いやあ、そうでも・・・」
今度は私を無視して、「織田信長の変形版です」と言った。
「お、織田信長ですか?」
「そう!天下取りの手相です」
て、天下?
天下なら取りてーっ!
・・・でも変形版だし。
「仕事はどうでしょう?」
「あなた、体張ってますね。どうですか?」
「・・・ああ、まあ。スポーツ教えてますので」
「私はこれからも仕事を続けていくことになるのでしょうか?」
「詳しく見ましょうか?」
これからは他の占い別料金でないと、分からないらしい。
「いや、よろしいです」と席を立った。
手相は現在のことしか分からないものなのだろうか?
中途半端が嫌いで、負けず嫌い、体張ってて天下取りの変形版・・・
て、結局なんにも分からないんじゃん・・・
肝心の将来のことは何ひとつ分からずじまい。
そうそう、ご先祖さまに守られているとも言ってたっけ。
でも、それってさあ、占いの決まり文句なわけじゃん?
そりゃ、言われて悪い気はしないし、ご先祖さまに見守れているなら、ありがたいとも思う。
なら、なんで私は独りなんだ?

まだ満腹感が続いていたが、お茶することに。
お茶専門店の2階にある喫茶室。
メニューにお薦めとあるパフェを注文する。
一番上が今が旬のさくらんぼ。と言いたいところだが、缶詰のさくらんぼだった。
さくらんぼが乗ってた受け皿がライチ。
ライチを久々でくちにしたtuzi。
「うっめぇー」
甘くて、久々のライチはこんな味だったかと思い出させた。
お腹いっぱい食べた〜い。
2000年台湾に旅行した時、ホテルの朝食バイキングで、
お腹いっぱいでライチ食べたのを思い出しちゃった。

ライチを食べちゃってからの写真です
アイスの下に亀ゼリーとタピオカ。
お薦めだけあって美味しかったです♪

‘馬さんの店’での満腹感はそのままで、お茶したものだから、もうお腹いっぱいです。
・・・て、まだ腸粉食べてない。
だいたいさあ、お粥がある店なら必ずといっていいほど腸粉はつきものなんですけどね、香港では。
なぜに横浜中華街にはないんでしょう?
広東料理店がほとんどを占める勢いでありながら、なぜに腸粉がないんでしょう?
不思議です。
料理店のお姉ちゃんすら、「チョウフン?ドウイウ字カキマスカ?」
別の料理店のお姉ちゃんは、「チョウフン?ソレ日本語デスカ?中国語デナンテイイマスカ?」だし。
甘栗売ってるお姉ちゃんは、「チョウフン?ソレ料理デスカ?お菓子デスカ?」だし・・・
なんだよ、なんだよ。
みんな腸粉知らないの?
食べたことないの?
あんなに美味しい腸粉食べたことないの?
そりゃ、香港にだって美味しくない腸粉もあるけどさ。
自称、私は腸粉語らせたら日本一だからさ。
前回、どっかで食べたんだけどなあ。たまたま入った店のメニューに腸粉があったのよね。
注文して食べたら、これが本場香港を思わせるくらい美味しかったのよね。
残念ながら、店名は覚えてないのよね・・・‘香’の文字が入った店だったと思うんだけど・・・
広東路にある萬珍楼點心舗だったら確実にあるんだけど。(ガイドブックに載っていた)
でもさあ、萬珍楼、っていったら高級感ムンムンだよね。
そもそも腸粉て、そんな高級料理じゃないよ。
香港じゃ、路上の屋台でも売ってるし、持ち帰りもできるし。
お粥といっしょにおかずで食べるような、超超庶民派の食べ物なんですけどぉ。
私なんか、お粥と腸粉さえあれば、毎日三食でもオッケー♪
それに果物さえあればバッチリさ。てなくらい大好き♪
だから、こんなさあ、仰々しい白亜の建物で、しかも階段つきの玄関のある
高級店で食べるような代物じゃないよ?
「腸粉だけいただきたいのですが、構いませんか?」
そりゃダメだ、とは言わないよね。
席に通された。
「海老とホタテとお肉があります」
これで満腹でなかったら、海老もいいけどホタテもいいな、て感じですけど。
残念なことに、そんなに食べられない。
「海老で」注文を終えて、お手洗いに行った。
絨毯の敷きつめられた、らせん階段を下りたところに、高級お手洗いはあった。
個室に入ると、床に丸いボタンがあった。
「ん?なんだろ??」
壁に張り紙があった。
『洗浄ボタンは足元にございます』
足元?

床にある、これを足で押すと水が流れる
衛生的といえば衛生的だが、どうして、こんな造りになってるんだろ?
ふしぎ〜、便器からかなり離れてるのに水が流れる。初めて見ました。

さてさて、お待ちかねの海老腸粉。
ん?
腸粉です。確かに。
でもなんかが違う。
そうだ。タレがあらかじめかかってないんだ。高級腸粉だからね。別の瓶におさまっている。
でも、そうじゃない。
なにかが違う・・・
あ!
透明だ。透明すぎる・・・
だって、中の海老が裸で丸見えじゃん。
どれ、お味は?
うん、うん、美味しい。
確かに腸粉だ。
・・・けど、ちょっと歯ごたえがある。
生地が厚いんだと思う。
私の知る腸粉は、もっと薄くて、持ち上げると垂れるくらいにトロトロしてる。
白く不透明・・・タレはあらかじめ皿にどっぷりとかけてある。
いやいや、これはこれで美味しいですよ。
美味しいけど、これは・・・腸粉じゃなくて、もはや高級料理。
腸粉を気楽に食するには、やっぱ香港に行くしかないのかなぁ・・・

スケスケヌードの海老
タレがかかってこない萬珍楼の高級腸粉



7月12日(金)

「新宿駅2013」

さあ、夜も更けた・・・
腸粉で中華街を締めくくることができて満腹、満足・・・
荷物を澁谷のコインロッカーに預けてたので、澁谷経由で新宿に戻ることに。

せっかく澁谷なんだからハチ公くらい見たいと思った。
澁谷の駅も結構広い。
私の中では、新宿の次に分けわかんない駅だ。
だけど、澁谷で降りることは滅多にない。
つーか、来ない。
いつ以来だろう・・・?
澁谷公会堂に来た時以来かなぁ・・・?
テレビではサッカー日本代表がワールドカップ出場決めた日、
スクランブル交差点のDJポリスで話題になりましたけどね。

『ハチ公と澁谷の若者』
90年間澁谷にたたずむハチ公。
晩年は可哀想だったハチ公(涙)・・・今は選挙を呼びかけるたすきかけてます。
このぶんだと、上野の西郷さんもきっと選挙呼びかけたすきをかけてるんだろうな・・・

巨大すぎる新宿駅に戻ってきました。
実はこのほど、西口〜東口の連絡通路が判明致しました。
まだ、一度で迷わずに行けるかどうかは自信がありません。
でも、ひとつ言えることは、
そこが連絡通路だとは田舎モンには想像もつかない、
ということです。
だって、丸の内線なんだよ?
誰だってさ、・・・てか、地方から出てきた田舎モンにはさ、丸の内線の改札だと思うじゃん。
まさか、そこが連絡通路だなんて思わないよ。
しかも階段下りる形だから、近寄らないよね。
確かにね、分かりづらいけど‘連絡通路’の矢印は向ってますよ。
だけど、その矢印の方向にあるのは、丸の内線なんだもん。
たとえ、階段下りて連絡通路方向に向ったとしても、その通路に‘連絡通路’の文字はなくなってて、
消息が切れちゃっている。
東西に延びてる‘連絡通路’なら、そう書いて、つなげて欲しい。
そしたら「ああ、ここだ!」ってなるじゃん。
それが書いてないから「あれ?間違っちゃった?」ってなっちゃって、
丸の内線駅に迷い込んでおしまい・・・

でもま、とにかく丸の内線目指せば、そこは‘連絡通路’と思えばいい。
東西はクリアしたとして、ネイティブの方がおっしゃるには、
南北の通路の方が入り組んでいるんですって。
そういえば、私も経験したことがあるんですよね。
その時は、まだ改札出る前だったので、ホームに戻って反対側の改札に出ましたけど、
いったん、南北の出口間違えて改札出ちゃったら、私なんかはお手上げなんでしょうね。
は〜。
ほんと新宿だけは・・・
でも、おかげさまで東西に抜けるのを教えてもらっただけでも、大助かりです。
その‘連絡通路’さえ通れば、伊勢丹なんてあっという間に着いちゃう。
地上歩いていたら、人波に揉まれて時間はかかるは、疲労困憊するは・・・
この‘連絡通路’さえ通れば、新宿三丁目駅だってすぐ。
だから澁谷は通らないで東横に乗ったほうが便利だったのね。
それを知らない田舎モンは、ごったがえしの澁谷経由で中華街なんだな。

そんな‘連絡通路’のお勉強会をしてる間に、夜行バスの集合時間が近づいてきた。
ロータリーから地上に上がれば集合場所だ。
円形のロータリーの右?左?どっちに出口があるだろう?
とりあえず右に行ってみる。
都庁方面・・・ん?なんか逆かしら?逆みたい。
どっか出口から地上に上がろうとしたんだけど、どっこもシャッターがおりてて上がれない。
戻ろう・・・
階段を見つけた。
よし、これを上がったらどこに出るんだろ?
なんと、そこはバスプール。どこにも渡れないバスプール。陸の孤島バスプール。
離れ小島に流れ着いた気分・・・
また、駅に戻る。
うわ〜ん。
駅の目と鼻の先で迷ってるし!
結局、反対方向で、すんなり集合場所に出られた。
は〜。
新宿駅恐るべし。
何度来ても、必ずどっかで迷う。今回も迷った。

でも、どんなに迷っても、私は東京が好き♪
新宿駅で迷ってる田舎モンがいたら、それはtuziです・・・



7月22日(月)

「うなぎ」

今日は土用の丑の日、うなぎの日です。
私の住んでる田舎町には、うなぎを食べさせてくれる気の利いた料理屋もありません。
あっても、ファミレス並みのチェーン店がせいぜい。
ですので我が家では、近くのスーパーからうなぎを買ってきて、うな丼をつくって食べます。
普段の日であれば、一枚で買ってきて、父と母の二人分にします。
私は尻尾を少しと、残された皮だけで十分・・・
だけど、土用の丑の日は特別。奮発して一人串刺し一本が定番です。
それにしても高いですよね〜。
昨年頃からその値段の高さには閉口しています。
今年はさらに値が上がっているように思えます。
絶滅危惧種なんですって?
そのうち天然記念物になったりするんじゃないでしょうか。
今日も近くのスーパーに買い物に出かけたら、鮮魚コーナーに‘うなぎブース’ができてました。
一枚が中国産だと1,000円ほど、国産だと倍の2,000円ほど。
でもその一枚が小さい。いつもの半分しかない。
小ぶりな串刺し一枚が中国産で500円。
これじゃ小さすぎて、うな丼のご飯が隠れないよ・・・2枚必要じゃん・・・。
それほど高くないじゃないか、と思われるでしょうが、違うスーパーでは値段が2倍近くしたりも。
ですから、人数分買うとなれば、まとまった金額になっちゃいます。
一人500円もあれば焼肉がワンパックずつ食べられちゃうよ?
実際、そんなに食べきれないけどね。てか、肉と比べてもねぇ・・・
それに、料理屋でうな丼食べること考えたら、めちゃくちゃ安上がりなんだし。
「むむっ、どっしよっかなー・・・」
迷っていると、やけに安いうなぎ発見!
一枚が500円。
そうそう、5年位前まではこんなもんだったじゃん?
でも、そんなはずは・・・
見かけは完璧うなぎです。タレがかかった蒲焼のうなぎです。
でも、よーっく見ると、表面がゴワゴワしています・・・
なんとそれは・・・お豆腐うなぎ、だったのです!
あ〜あ、ついに、うなぎの値段高騰に対応する、お豆腐うなぎなるものがでちゃいました。
それは、はっきり言って、うなぎではありません。
豆腐です。
うなぎじゃないというか、豆腐なんだから精進料理だよね・・・台湾みたい。
「・・・えらいもの見ちゃったよ〜」
えらいもの見ちゃって、やっぱり年に一度の土用の丑の日くらいは
これまでどおり、串刺しでうな丼にすることに決定。
中国産でも養殖でも、とにかく本物のうなぎで・・・
だって、土用の丑の日は豆腐を食べる日じゃないもん!



7月23日(火)

「無責任」

昨日は丑の日で、うな丼をしようと近くのスーパーに出かけた。
レジを済ませ、エコバックに詰めていたら、すぐそばでバックに詰め込んでいたオバサマAが
バシャ!
卵パックを床に落っことしてしまった。
卵はパックの中で割れてしまい、床にも卵がベッチョリ・・・
そこへ見知らぬオバサマBが通りかかる。
「取り替えてもらえば?いいのよ」
と、平然と言ってのけた。
卵を落下させてしまったオバサマAとは、お知り合いでもない無関係の様子。
ただの通りすがりのオバサマB。
さも、当然の権利のごとく、「取り替えてもらえる」と、言うだけ言って立ち去ってしまった。
無責任だよね?!
それって、無責任に言っただけですよね?!
あ〜、やだやだ・・・
私、この手の親切を装った人間は、どうも好きになれない。
おそらく、オバサマB本人は、親切で教えた、と思い込んでるはず。
そうかなぁ?
オバサマAは、自己責任と判断し、
「いいのよ・・・」とボソッ、と独り言のように言い、取り替えてもらうようなことはしなかった。
そしてオバサマAは、卵で汚しちゃった床もキレイに拭いていた。
そりゃ、そうでしょ。
例えば、売り場で落っことしたら、買取でしょ?
レジ後は、自己責任でしょ?
なぜに、取り替えてもらえるか、なぜに取り替えてもらえる、なんて言えるか?!
私、全然理解できません。
そりゃね、店側の善意で「お取替えします」と言われるなら話は違ってくるけどさ。
それでも、なおさらのこと辞退するわよね。買い換えたとしてもいくらもしないじゃない・・・
要するに、オバサマBは厚かましい、ってことでしょ。
取り替えてもらった経験があるのか、知らんけど、もしそうだとしたら、やっぱり厚かましいでしょ。
しかも、オバサマBの傍らにはいい年こいた夫がカートを押していた。
男も男だ。
自分の妻が他人に、そんなこと言ってるのを、ボーッと聞いてる場合じゃないだろ。
ボーッとカート押してるだけなら、掃除を手伝ったら?
なにより私が一番気にくわないのは、言いっぱなしで立ち去る、ってこと。
言いたいことだけ言って立ち去るのは、
ただの無責任じゃないの?!
誰だって、年はとる。
けど、ああいう年のとり方はしたくない、と思うのは私だけですか?



8月5日(月)

「ふたつの事件」

最近の報道で、気になる事件がふたつほどあった。
Case1、
別れ話のもつれから、男性が交際女性を刺した。女性は一ヶ月の重症。
ま、この手の事件は高校生並の若い者には、ありがちな話しじゃん。
親権をめぐって離婚話しのもつれ、というのではなく、独身男女の別れ話し。
そう考えると、お互い独身なのだから、20代、30代でもおかしくない。
刺されたのが女性ということは、女性の方から別れを切り出して、別れたくない男性が刺した!
そういうことでしょ?
だけど、この事件、別れ話を切り出した女性が82歳
別れたくないとダダをこねて刺した男性が76歳。
82歳女性が「あなたは、まだ若いんだから、私なんかよりもっと若い人と付き合ったほうが・・・
私たち別れましょう」と言えば、「そんなこと言わないでくれー(泣)
オレには君しかいないんだ、別れるなんて言わないで、これまで通り付き合ってくれー」
という会話があったかどうか定かではないが、そんな別れ話が、82歳と76歳で交わされたわけだ。
恋愛に年齢は関係ないんだね。

Case2、
今朝の報道でした。
男性宅に遊びに来ていた、交際女性が男性に刺された。
さらに、止めに入った同居している実の父親をも刺した。
刺された交際女性は死亡。父親は重症。
男性は、父親と母親の3人暮らし。
そこへ、交際している彼女が遊びに来ていた。
その彼女が、男性の携帯電話を投げた。そのことにカッ!(怒)ときた男性が彼女を刺した。
仲裁に入った実の父親をも刺した、というもの。
カッ!(怒)ときた男性は26歳。刺された実の父親51歳。
ふむ、妥当な年齢だよね。
えっと、25歳の時の子供・・・いたって普通だよね。
彼女の年齢は55歳。
これ、普通じゃないよね?
父親より年上の彼女ってこと。
普通じゃないよね?
いやいや、恋愛に普通もへったくれもない。
だけど、事件になるなら、自分より年上の彼女との交際に反対された男性が父親を殺そうとして、
仲裁に入った彼女も刺された、というなら分からなくもない。
でも、逆だモン。
なんで、彼女が携帯電話を投げたか知らんけど、その彼女を刺して、
それの仲裁に父親入って刺されたんだもんね。
これは、あくまで私の想像だけど、
携帯電話に若い女の影が見えたから、55歳彼女は嫉妬して投げたんじゃないの?
26歳男性も、いい加減、嫉妬深い55歳彼女から逃れたいと常々思っていたところへ
カッ!(怒)となった弾みに刺した、とか。とかく若い男性は血気に走りやすいからね。
だって、父親より年上なのだから、たぶん母親より年上の彼女だよ。
55歳女性が魅力的だったのかなぁ?
55歳女性も、26歳相手に携帯投げる、ってどうだろ?
相手は子供じゃん。
いやいや、恋愛に年齢は関係ないんだったっけ。
ちなみに夕方のニュースでは、交際中とは一切語られず、
NPO法人社長(55)となり、そこで働いていた男性(26)宅を訪問中の事件となっていました。
携帯電話を投げたことが原因という点は同様でした。

・・・そう、恋愛感情に年齢は関係ない、常識を越えるものだ、ってことは分かりました。
それはそれは、勇気を持たせてくれるものでもあります。
年齢に応じた恋愛も、年齢に左右されない恋愛も、ステキだなー♪と思います。
一方で、報道はされてないものの、恋愛をめぐってのいざこざはごまんとあるはず。
それこそ掃いて捨てるほど・・・
ステキだなー♪と思う一方で、
だから恋愛は・・・めんどくせー、んだよ。とも思ってしまう、そんな事件2連続なのでした。



8月5日(月)

「トラブルメーカー」

Liveです。
先ほど11頃、町役場から依頼された電気屋さんがやってきました。
我が家の外壁に防犯灯が付いているのですが、
球切れを起こしてからしばらく経つが、交換されることもなく、夜になっても真っ暗な状態でした。
その防犯灯の工事をするということで、電気屋さんがやってきたのだ。
内容は、まず防犯灯を撤去して、それに伴う電線も撤去。
新しく取り付ける防犯灯は反対側ある電柱。
「すぐ、近くじゃん」
電柱に取り付けた際の電線はこれまた反対側から電源を取り直す、と言う。
「(なんでまた、そんなめんどくさいことすんの?)」
「うちはこのまま取り付けててもらって構わないんだけど」
「役場から言い付かってきてまして・・・」
「そりゃ、そうね。だけどこのまま防犯灯だけLEDに交換するだけで済むことじゃない?」
すでに電源が来てるわけだから、電線を撤去したりする必要もない。
なんでわざわざめんどくさいことするかな。
「じゃ、役場に電話してみるね。何課なの?」
「・・・危機管理課ですね」
私はさっそく電話してみたが、担当の人は不在で、電話に出た男性が
「・・・てことは、いま工事をストップかけてるんですね?」
へ?
そんな私、大事(おおごと)なことしてる?
担当に連絡してもらい、折り返し電話をもらうことになった。
工事の人たちは、別の現場を先に回ってくる、と言って行ってしまった。
よくよく考えてみればさ、ウチの外壁だって脆くなってることだし、すぐ近くの電柱に付くんだから
素直に工事させればいいことなのよね。
「(迂闊だったかな・・・」
そう思いなおしたところへ、担当者から電話がきた。
「うちはそのまま取り付けててもらって構わないのですが」
「今回、全体を照らすという意味で・・・」
だから同じじゃん。反対の電柱になるだけじゃん。
「・・・そうですか、分かりました」
「工事ストップさせてるんですよね?」
だから、そんな大事(おおごと)かよ?
「電気屋さんは、別の現場を先に済ませて、また寄りますということでした」
「えー!どこの業者でした?」
「・・・わかりません」
そんなに急ぐことだったの?
「こまったなー、・・・ごもごも・・・」
順番が重要だとも思えないんですけど!
「スイマセン、余計なこと言って・・・」

なんだかさ、私ってば簡単な改修工事にしようとして、業者にストップかけた、
大バカ者になっちゃったじゃないですか・・・
役場の仕事にチャチャ入れて妨害し、予定狂わせた、
大バカ者になっちゃったじゃないですか・・・

工事が済んで、電柱に外灯が取り付けられた。
結果、明るくなったのは我が家だけで、「全体を照らす」という目的は果たされず、むしろ逆効果。
我が家は家の中まで光が差し込んで夜中起きても照明いらず。
なにより、夜車庫に入れた車から玄関まで、足元が煌々と明るくて大助かり。
夜道を走れば、我が家がライトアップされている。
どう考えてもあの外灯、我が家だけのための外灯に思えてならない・・・



8月26日(月)

「とことん疑う女」

今年、K書道展に出品した作品が、昨年から一転、賞をいただいた。
今年は10年に一度の記念の展覧会である。
入選以上のすべての作品が写真となって残る。
そのぶ厚い記念誌が出品者全員に贈られる。
だから、落選だけは免れたい、と思っていたのだが、まさかの入賞。
出来すぎですって!
信じられません。

昨年が落選で、今年が入賞だなんて。
だって、送られてきた通知のプリントに宛名がないんですよ?
他の誰かと入れ間違えたんじゃ・・・?
授賞式の案内と、返信用のハガキが同封してありましたが、
入れ間違いでしょ・・・?
私、どうしても信じられません。
幻なんじゃないかと、通知に穴が空くくらい、何度も見直しましたが、見間違えではないようです。
頭がかしげてしかたありません。
首がムチウチになりそうです・・・
一応、授賞式参加に○して送ったけど、新聞紙上の発表があるまでは私、信じません!

さて、ドキドキの発表の日。
朝一番で新聞を開く・・・
あったー。
間違いじゃなかったみたい・・・
いやいや、まだ信じるのは早い。
印刷ミスかもしれない。
会場に行って、自分の作品の名前に賞が添えられているのを、
この目で確認するまでは油断できない。
まだ信じてませんから!

私はより気を引き締め、授賞式に出席するつもりの装いで会場に向った。
「晴れの受賞」というより、「いざ出陣!」て感じ。
油断は禁物!
真っ先に自分の作品を確認する。
あったー。
本当だったみたい。
私は間違いなく入賞していた。
これで間違いはないでしょ。

いやいやいや、まだ信じるのは早い。
ぶ厚い記念誌に、入賞者として作品が載っているか確かめねば!
どれどれ・・・
あったー。
これで間違いはないでしょ。
てか、間違いでも、記念誌に載っちゃえば、嘘でも本当、てことでしょ。
私は、ようやく嘘のような入賞を信じることができた。
それにしても、なんであの作品が入賞なんだ??
入賞するなら昨年の作品の方でしょ!
わからん・・・
この一ヶ月、通知を信じられず、素直に喜ぶことができなかった。
機を逸してしまい、いまさら喜べない。


翌日の新聞に、昨日開幕した書道展の記事が掲載された。
会場につめかけた‘書道ファン’の様子が写真入りでデカデカと載っていた。
・・・これって、私じゃん!
出品している本人が‘一書道ファン’として記事になってしまった。
そこには、書道ファンの鑑賞ではなく、
実は自分の作品探してる、アホ面の私が写っていたのでした・・・。



9月7日(土)

「早朝のコンビニで」

超激務の仕事を抱え、夜は11時頃まで仕事をし、朝は6時には仕事を始める。
ずっと仕事、仕事・・・
ここ1週間は、こんな感じです。
休み時間もなく、食事の仕度して、食べて洗いもの終えたら、また仕事に戻る・・・
この忙しい最中に、電話がかかってきて、次の仕事が予約される。
この仕事が終わる頃には、次の仕事がかぶり気味に送られてくる手はずだ。
私は独楽ネズミのように働き続ける・・・

うん、それはそれで悪くない。
むしろ、ありがたいことだと思っている。
だって、仕事の依頼がなかったら、それこそ死活問題だ。
いつ依頼がなくなってもおかしくないことを思えば、忙しいのは幸せなことである。

だけど、とにかく時間に追われているので、買い物に出かける時間すらもったいなくて。
もちろん、洗濯物はたまりっぱなし、掃除は見て見ぬふり。
そうこうするうち納豆が切れた・・・牛乳が切れた・・・
私は急場しのぎに一番近くのコンビニに早朝5時に車を走らせることに。

こんな朝早く外に出ることなどないから、これまで知らずにいたが、
5時という早朝にも関わらず、けっこう車も走ってるし、
コンビニではレジに並ぶほどお客さんがいたのに、ちょっと驚いた私。
5時を早朝と思うのは私だけの感覚なのだろうか?
「(ふ〜ん、けっこう人がいるのね)」
その多くは職人さんだ。
朝食を求めて現場に向うようだ。
「(そっか、職人は朝が早いんだ〜)」
私も職人の端くれ。朝が勝負だ。
締め切りのある仕事なので、忙しくなればなるほど、
朝の仕事始めの時間を前倒しして早くするようにしている。
時間の使い方として朝が遅いと仕事もはかどらないのだ。

コンビニのレジには、ヤケにテンションの高いお兄さんと、
私と年格好が似ているお姐さんのふたり。
私は図面と格闘してナンボであるが、早朝深夜のコンビニ店員と似たような時給である。
どんなに早く仕事をあげても、忙しく働いて中身が濃くても、急な仕事に対応貢献しても、
時給は変わらない。
職人なんだから、請負制もしくは請求制かと思いきや、
そうはならずに、請求するのは時間数のみ。金額はお任せ。
一時はコンビニの時給を下回ったこともあった。
「(は〜、だったらコンビニで働くのもアリなのかな・・・?)」
頭をかきむしり、目をしょぼつかせて、パソコンに向って夜昼なく働いても、
早朝コンビニのレジを打ってても似たような時給・・・
「(でもなあ、私にはレジ打ちは勤まんないよな〜)」
私はこのまま’独楽ネズミ職人’でいるしかないのか・・・

いやいやいや、私にできる仕事は’独楽ネズミ職人’しかないじゃないか。
てか、他の仕事をした経験もないじゃないか。
幸せ者だよね。この仕事一本でこれまでやってこれたんだから。
おいしい仕事などない、ってことさ。
それに、考えてもみてよ。
家の中で、できる仕事なんて、他にないじゃないか。
これは金銭に換えられるものではない。
今の仕事こそ私にとって理想なのだ・・・
ちょっとでも仕事が切れると不安になるくせに、
このまま仕事が切れずに依頼されることを考えるべきだろ・・・
なにを血迷ってるんだ?

て、牛乳片手にレジ待ちし、ボンヤリ思う私なのでした。



9月16日(月)

「M女史のお酒」

この連休に、M書道展を観にS市に出かけた。
M女史と待ち合わせの前に、講習会でお世話になってるT大先生の個展を見学。
M書道展会場の1階ということもあるし、M書道展開幕日ということもあり、
そこでたくさんの先生方と、お会いし挨拶を交わした。
まずは個展開催のT大先生、その後S先生、そしてR先生・・・
帰りがけ、またまたT大先生と目が合って、会釈・・・
私のことを覚えててくれただけでも感激なのですが、
なんせ田舎暮らしの私は、人と話すことも滅多にないし、
ましてや、かしこまって話す機会はほとんどない。
とにかく、おじぎをしながら笑顔で対応・・・でも対応するといってもアドリブ利かないし・・・
やっぱり、笑顔で頷くしかできない不器用な私。少々気疲れしてしまった。
ふ〜・・・

でも大丈夫。
今日は久々の飲み会なのだ。
メンバーはいつもの3人。
非常勤講師をしていた時に講師室で出会った3人である。
M女史とは書道展観たり、H氏とはM女史のフラメンコの発表会に出かけたり・・・
ふたりで定期的に会うことはあっても、3人揃うのは久々である。
話しをしていたら、どうやら数年ぶりのようだった。
とことん飲むぞーっ。

最初の店で‘手かせ足かせ’の話しなどしながら、ひとしきり飲んで、
ちょっと洒落たレストランバーにお店をかえた二次会でのこと。
一杯目、M女史とH氏はハーブがたくさん入った、自然派のお酒を注文。
M女史の最近のお気に入り、なのだそうな。
お酒の名前・・・なんつったっけ?
忘れちゃった。
私もひとくち。
ハーブの香りのする、サッパリした感じ。飲みやすい。
ま、とにかくM女史はそのお酒を飲みながら、向かいの席に座っていた女子の飲んでいるお酒が
気になる様子。「あれ美味しそう、」と話すM女史。
うん、確かに美味しそう。なんかミルクが入ったような飲み物。
・・・でも、グラスがやたら大きくない?ていうか、カップだよね?

二杯目に、M女史はさっそくバーテンダーから聞き出し、注文したもよう。
「なんていうの?」
「ゴディバ・ミルク」
「ゴディバ、ってチョコレート?」
「ベルギーの・・・美味しい♪
私もひとくち。
うん、美味しい♪・・・けど、お酒入ってる?
H氏もひとくち。
「ジュースだね」
高級チョコレートを使ったカクテルなのか?
それにしては、お酒っぽくない。
メニューを開く。
《チョコレート&ミルク》
えっ!?
まさかの、ノンアルコール?
「私も美味しい」って言っちゃったよ・・・」
それよりも、
M女史の落胆振りがハンパない。固まって落ち込むM女史。
メニューから目が離れず点になってるし。
お代わりの酒を注文する時、
私は「これ、お酒入ってるんですか?」と聞いてみた。
「入ってますよ」
ほーら!
と言わんばかりのM女史。
間違いじゃなかった、と表情も晴れ晴れとなった。
よかったねー♪
「・・・で、何のお酒が入ってるんですか?」
よせばいいのに、私は素朴に質問してみた。
「チョコレートのお酒です」
は?
今度は私の目が点になった・・・
「チョコレートのお酒、ってなんだ?」
それはお酒なのかあ?
それを聞いたM女史も喜びから一転、またまた複雑な表情に。
気分はまるでジェットコースター。
笑ったー。

私はM女史の色合いを見てアレキサンダーを注文したのだが、
M女史ひとくち飲んで「強〜い」
そりゃ、アレキサンダーだからね♪
てか、ゴディバ・ミルクは限りなくノンアルコールだからね♪

その後、温泉の話になり、温泉通のH氏から、
私たちの住む(H氏と我が家は近い)田舎のとある温泉で、
湯船に沈んでいたウンチの話しを聞いて
上がり始めたM女史のテンションが、一気に急降下・・・
ハンパなく落ち込んでいる。もうグッタリしてるし。
笑ったー。

楽しい飲み会は、路地に入ったラーメン屋でお開きになる深夜2時まで続いたのでした・・・。



9月26日(木)

「記念の年」

2013年の今年は、私の関わる行事、展覧会、競技大会・・・すべてにおいて記念の年である。
不思議と偶然が重なったようだ。
まず、7月の太極拳の全国大会が30回記念。
8月に発表になった書道の展覧会が60回記念。
そして11月に開催される、町の文化協会の発表が40回記念。
記念と言えば、私も仕事を始めて区切りの年を迎えたし。
フリーになってからも、これといった営業の苦労もなく、これほど長く仕事に従事できたのは
奇跡のようなものだと思う。感謝せねば。
そこで思うことがある。
今年は、太極拳の大会でも成績がよかったし、書道展でも賞をいただいたりと、何かとツイテいる。
仕事も順調で忙しくしている。
だからこそ思うのだが、太極拳では、いくつもの負けを味わって、これまで苦い水を飲んできた。
書道展は、まだ出し始めたばかりとはいえ、手痛い落選も味わっている。
あれは口ではいえないほどショックを受けた。
引きこもりになる人の気持ちを垣間見るような思いだった。
いま思い返してもゾッ、とする・・・
仕事だって、営業の苦労がないかわりに、生活ができないほど収入減に落ちいったこともあった。
ま、忙しくしている今だってピーピー言ってるのだが・・・
仕事が途絶えた時期もあった。
それに比べたら、仕事している今は気分的にぜんぜん違う。
こういうことを忘れてはならない。
事柄だけではなく、その時に感じた想いを忘れてはならない、と思うのです。
人間、喉元過ぎればなんとやらで、現在が順調だと、つい浮かれて忘れてしまう。
起きた事柄は忘れなくとも、その時のツラかった自分を思い起こすことができなくなってしまう。
だから、「これは順調なんかじゃない、今年はたまたまツイテいただけ」
今年は今年、来年は来年・・・この先どんな落とし穴が待っているかわかったものじゃない。
実際に、書道展では前年入賞した人で、翌年落選したという人を複数知っている・・・
まわりに複数もいるとなれば、これはジンクスになりかねない。
勝って兜の緒を締める、そんな気持ちで臨まねばならないと思っている。
ツイテいる時ほど、足元が浮いて、それこそ浮かれて調子に乗って、足元をすくわれるものだ。
カッ、と気を引き締めて。
日々、臥薪嘗胆。
来年は今年より上を目指さねば。
・・・て、そんなにガチガチに身構えてたら、人生ちっとも楽しめないじゃないか、って?
どんなに成績が良くったって、それじゃ喜べないんじゃないか、って?
うん、実はそうなんですよ・・・。



10月8日(火)

「江戸」

最近、仕事をしながら落語を聴いてます。
古典落語です。古今亭志ん生、柳家小さん、三遊亭円生、桂文楽・・・
いずれも名人でござ〜い。
もともと落語は好きでした。
今からうん十年も前に、体調崩して入院した時期がありました。
3ヶ月も入院しておりまして、少し回復して起き上がれるようになってからは、
ベットに横になってる退屈しのぎに、ひがら本ばかり読んでました。
芥川賞、直木賞をザザーッと読み終えて、小説を無差別に読んでいたが、それもいい加減尽きて、
そうこうするうち、会社の後輩が持ってきてくれた、少年アシベの面白さに気を良くし、
その後、落語本を読み始めた。
その時に、ほとんどの古典落語のネタは読み終えていたはずなのですが、
その大半は忘れてしまいました・・・
で、最近図書館にあった名人選のカセットテープを借りてきて聞いている、ところでして。
どれも名人の名演ばかりなのですが、好みというものがありましてね。
私は、三遊亭円生さんが好きです。
なんというかね、味があるんです。
長屋もの、人情もの、滑稽もの、どれもソツなくこなす名人であります。
やっぱ、噺家は声がよくなきゃいけない。
いやね、円生さんが名人のなかの名人かと思っていたら、
円生さんを越える‘私好み’の噺家がみつかったんですよ。
三遊亭可楽・・・ずっと三亭だとばかり思っていたら、これが三遊亭じゃなかった。
亭、てんですよ。三笑亭可楽
聞いたことないねえ・・・三笑亭。。。
でもね、その落語ったら、いいんですよ。これが。
何気に聴いてたら「おやっ?」と思った。
「どんな顔の人かな?」ちょっと調べてみたら、
私が聴いたのは、どうやら八代目・三笑亭可楽でした。
出囃子は勧進帳。明治生まれ、生粋の東京育ち。昭和39年、酒飲み過ぎて67歳で没。
惜しい人(しと)を亡くしちゃったもんだねー、こりゃ。
『通好みの・・・』とある。
そーなの?
私なんかは通でもなんでもないんですがね。
『地味で派手さはない』とも。
そーかな?
こればっかりは‘好み’なんだから、通もなにもあったもんじゃない。
私が思うにオチの言い方なんてのは絶品です。こればっかりは誰にもマネできない。
一度、騙されたと思って、聴いてみねぇ。可楽の「らくだ」「二番煎じ」は絶品。何度でも聴ける。
可楽さんが話すと、人間にあったかさを感じるんですよね。
「人間ていいもんだなあ」、って思えちゃう。私なんか10回は繰り返し聴いてるね。
はたまた、古今亭志ん生は落語好きに限らず、一度は耳にする名人でありますが、
志ん生さんの江戸っ子もいいねえ。
威勢がよくって、胸がスーッとします。
志ん生さんも生粋の江戸っ子。
長屋(通称なめくじ長屋)に実際住んでたこともある、ってんだから、そりゃネイティブ・ラクゴです(笑)
そいでもって、落語を聴いてると、女の人ってのは強いね。
貧乏長屋のおかみさんから、吉原の遊女にいたるまで、女ってのはどうしてああ強いのかねえ?
女が強いのは現代だから、ってのはウソだね。
女は怖いよ〜。昔っから。
優しい女なんてのは女じゃないね。それは猫かぶってるだけ。
・・・話しがそれました。
ところで、10月です、我が家では金木犀が香っています。
こんな暑い10月でも秋ですな。
読書の秋。
柳家小三治さんの「まくら」という本を読んでいます。
一度は生(ナマ)で小三治さんの落語を聞いてみたいものです。
なかなか機会がないので本でガマンしています。
以前からファンなんです。
「まくら」を読み終えて、「もひとつ、まくら」を読み始めるところです。
古典落語は、作り話かもしれませんが、もしかしたら語り継がれた本当の面白話しかもしれません。
「この話し、面白いから誰かに話して笑かしてやろうじゃないの」くらいのね。
とにかく、背景は江戸の風情というものです。
噺家さんたちは、江戸の中に生きてるわけでして。
聞き手の私たちを江戸に連れてってくれる、そんな存在です。
落語聴いてると、ずいぶんと勉強になります。
これぞ「温故知新」です。
人間の考えることって、そうそう変わらないもんだな、と。私なんかそう思います。
落語、って笑える面白いもんだと思っている方もおられるでしょうが、
そういうもんじゃないです。私が思うにただの「お話し」。
だから、そんな腹抱えて笑えるものではないです。
噺家さんの話し方で爆笑にもなりえますが、話し自体はそういったものではないと思っています。
「ぶぶっ」
「ほ〜〜、なるほどねえ」
「ぐふふふ・・・」
「ははあ、そういうことか」
「ああ、いい話だなー。人のつながりっていいもんだねぇ・・・」
まあ、こんな感じ。
オチを聴いてもピンとこなくて、「はてな?」と考えこんで。
2,3日してから、また聴いたりして「ああ、そういうことか・・・なーるほどねー」なんて。
だから落語と聞けば、なんでもかんでも笑えばいいもんだと思い込んでるお客さんを相手に
立川談志さんは嘆いてたじゃない。
そりゃそうだよ。
「なにが可笑しいの?」ってところでゲラゲラ爆笑するんだから。
私にだって、お客さんが解せない。
・・・なーんか私、ダラダラと話してますが、そんなわけで最近の私は落語漬け。
それとamazonでの買い物。
「おうおうおうっ、おめえさん、ずいぶんと極端な暮らしぶりじゃねえか」
って、巻き舌で江戸から声が聞こえてきそうです(笑)



10月12日(土)

「血のめぐり」

数年前は年に何度でも献血ができてたように記憶してますが、
ここ数年は年に2、3回(400ml献血)と限られているみたい。前回献血したのは1年ほど前でした。
その近くのスーパーに献血車がやってくるとのハガキが届いた。
「私、ハガキが届くような手続きしたっけか・・・?」
いや、でもこうして知らせてもらえるのは、こちらとしてもありがたい。
そのハガキを持参して行くと、カレールウがもらえるんですって。
私、献血が趣味ってことではありませんが、これまで18回を記録している。
前回はだーれもいなくって、私だけだったので、献血って人気ないな、って思ってたんだけど、
今回は一転、受付待ちの大盛況。盛況、って言うんですかね?言いませんね。
それで、その受付の男が感じ悪くてさ。
ここで待たされるくらいなら、と思い「また、あとで来ます」って帰ろうとしたら、
「あの、すいません。・・・tuziさん?」て声かけられた。
「そうですけど。。。(どうして私の名前を?)」とバリバリ不審な目で相手を見つめてたら、
中学の同級生だった。
「ミカちゃん?」
中学の時は色白で可愛くて、声なんかも可愛らしくて・・・
いやあ、老けたなあ・・・
あちらから声をかけられなかったら、私の方からでは、きっと気がつかない。
「いやあ、懐かしいねー」
ミカちゃんは、おそろいのスタッフジャンパー着て、献血のお手伝いをしていた。
いろんな話しをしているうちに、受付が空いたので、促されて献血していくことに。
検査のための車に乗り込むと、ガ体のデカイ男衆が3人ばかり。
今のところ女は私だけ。
そこへ、年の頃35、6の細身痩せ型の男が。オトコマエです。しっかり結婚指輪がはめられてました。
そりゃそうです。こんなオトコマエ、女がほっとくわけありません。
男は、座るなりスマホを出して、なんかしてます。
買い物中の奥さんに、どこにいるか報告してるのかも。・・・想像ですけど。
そのスマホにやたらデッカイ、マスコットがふたつもゴロゴロついてます。
きっと子供たちのオコボレなのでしょう。・・・これも想像ですけど。
そうこうするうち、男は血圧検査に呼ばれ、問診を受けた。
「病院にかかってませんか?」
「は、大丈夫です。悪いのは頭だけで」
「半年のうちに海外へは行きましたか」
「行ってません。一度くらい海外に行ってみたいんですけどねー、先立つものがなくて」
イチイチ、余計なことを言ってる。苦笑するしかないような受け答えを連発。
黙ってりゃ、オトコマエなのに、残念なことに笑えない。スベリっぱなし。
本人に悪気はないのは分かっています。
笑ってもらおうという旺盛なサービス精神でのことと分かっているんですが、こうもスベられると・・・
見た目とのギャップありすぎ。
空回りし続ける男を残して、私は血液検査も終えて、次の車に乗り込んだ。
そこではガ体のデカイ男衆が太い腕をまくって献血していた。
私も横になって献血を始めたが、前々回、針が神経に当たったかなんかして、痛いし痺れるし。
その経験がトラウマになって、針を刺される瞬間、どうしても緊張してしまう。
今回も初め、痛かったけど、だんだん落ち着いてきた。
大丈夫そうだ・・・
そう思っていたのだが、若い看護婦さんから
「流れがゆっくりですね」
と、針を微調整されたり、ちょっと角度が変わるように綿を敷かれたり・・・
流れがゆっくり・・・?
そういえば、前回もやたら時間がかかったっけ。
流れがゆっくり

血のめぐりが悪い

それってバカ、ってことじゃん!



あんまり時間がかかってるから、だんだん指の先が冷たくなってきた。
「あと100mlくらいです。もう少しで終わります」
よかったー。もう少しで終わる・・・
て、このタイミングで、さっきの空回り君が、隣りのベットに横たわったもよう。
相変わらず「雷でも鳴ってきそうな天気ですよー、おかしな天気ですよねー」とか、
どーでもいい話しを看護婦さんに話しかけ、さっそく困らせている(笑)
私が400mlとり終えるまでに、向かいのベットは2人入れ替わっていた。
私も、ようやく献血を終えて、車を降りて受付に戻った。
座って献血手帳待っていたら、ミカちゃんが、お菓子をたくさん持ってきてくれた。
ポイントがたまったとかで、景品のタオルもらって、ハガキ持参のカレールウももらって、
通常の豪華景品ももらって・・・
ミカちゃんが言うには、12月は年末で景品が良いんだと。
「次回は2月なのよね」
「なら、バレンタインのプレゼントがあるわ。夏だとアイスがあったり♪」
「ふ〜ん・・・ん?!
なんと私の横に、さっきの空回り君が!
えーっ?!もう終わったんですかあ?」
私、思わず言っちゃいました。
まさか、200mlってことないよね?!
問診で、前回は貧血で献血できなかった、って聞こえてたので、もしや?
「早過ぎません?・・・400mlですか?」
ええ、僕、血管が太いから早いんです」
そういうもんじゃ・・・
いやいやいや・・・
「だって、私が残り100mlで、あなた400mlてことよ?」
「いつも早いんです。僕、血管が太いから
だからー、いやいやいや・・・
「まあ、私はゆっくりだ、って言われたけどさあ・・・それにしても・・・」
4倍じゃん?
てか、私が4分の1の血のめぐり・・・?
・・・いよいよ、バカ決定か?



10月21日(月)

「ごちそうさん」

「あまちゃん」に続く朝の連続テレビ小説、「ごちそうさん」。
「あまちゃん」ですっかり習慣づいてしまった朝の時間。
その流れで見はじめたのですが、杏さん演じるヒロインめ以子が気に入らない。
可愛くない。可愛げがない。
何の落ち度もない西門さんに対して、あの仏頂面、キンキン声、口を尖らせて眉間にシワ・・・
なにが面白くないのか、いつも不機嫌。口を開けばイヤミばかり。
何か言われると、キンキン声ですぐ怒り出す。
解せない上に不愉快。魅力が感じられません。
朝っぱらから、あんなしかめっ面、見たくありませんて。
その点、西門さんは文武両道、優しくて、親切で、背が高くて、声がよくて・・・
どこにも欠点が見つからない。理想的な好青年。
それに、め以子のお友だち。あの、め以子には出来すぎたお友達のように思います。
ウチの父なんか、め以子が不愉快で、面白くないといって見たがらない。
それは、私も同感で、もし西門さんがいなかったら、とっくに見るのをやめていました。
だから、私。
め以子には目をつむることにしました。
西門さんだけを見ることにしたんです♪
ですから、私の中でドラマ「ごちそうさん」は、西門さんが主役ということになってます。
「あまちゃん」を越える高視聴率なのは、なにも‘納豆嫌いな人にムリヤリ食べさせる’話しが
面白いんじゃなくて、私のように西門さん見たさについ見ちゃってる人のおかげかも。
食べればいい、食べさせればいい、ってもんじゃないでしょうに。
・・・て、そういう筋のドラマなのか。
その西門さんも今後、なぜかめ以子に惹かれていってしまうという、
これまた実際にはありえない展開なのでしょう。
ま、これからは魅力ある女性に成長していくのかもしれませんが、
非のうちどころのない西門さんが、あのめ以子に惹かれていくのは、どうも・・・
あれでは西門さんが、あまりにも可哀想ではありませんか。
ああ、そんな西門さんの行く末が心配で、またついつい見ちゃうんだなぁ・・・これが。



10月25日(金)

「ごちそうさんU」

眉間にシワ寄せて、口尖らせてキンキン声でわめく、杏さんに惹かれていく西門さんも
面白くないので、あれから程なくドラマ「ごちそうさん」は見なくなっちゃいました。



「ごちそうさん」といえば、食べることですが。
私、ここ数ヶ月右の奥歯が痛んで、スーッと息吸い込んだだけでも滲みて・・・
思うように食べられません。
「これは虫歯に違いない」と、うすうす感じていたのですが、
「もしかしたら、疲れで歯が痛んでいるだけなのかも」なんて期待したりしちゃってたりして。
「虫歯でも自然治癒しないかな」なんて逃げ腰でおりました。

これまで何年も、右奥歯で噛んで食事していたのですが、
痛みでそれができなくなって左だけに切り替えました。
「いつかは、歯医者に行ってみなきゃ」と思っていたのですが、
どーも、歯医者は怖い。
眼医者と歯医者は怖い。
子供じゃないんだから、と言われそうですが、私、歯医者はおろか、まずもって医者嫌いなんです。
そうは言ってられなくなって、健診だけでもと思って行ってみた。
やっぱり、虫歯でした。
右の奥歯かと思ったら、意外に前の方の1本が虫歯でした。
「どんな治療になるんですか?」と聞いたところ、
レントゲンを撮って神経もやられていたら、麻酔かけて神経を抜いて、削ってなにか詰めるんだと。
歯は抜くことはない、とのこと。
あと、奥の親知らず歯も虫歯だから、これは抜くとのこと。
「(いやあ、親知らずは支障ないから抜かなくてもいいんだけどなあ)」
それにしても、麻酔と聞いただけで恐ろしい。
注射するんでしょ?注射。
献血じゃないんだからさー、なんか体に入ってくるわけでしょ?
冗談じゃないよ・・・
しかも歯にでしょ?・・・いや歯茎か。
どっちにしろ、そんなもん痛いでしょ!
ヤダよー。
怖いよー。
私、歯医者での治療は、うん十年ぶりです。
うん十年前より怖さが増してます。
待合室で待ってる間も、診察室から聞こえてくる工具の音でビビってんですから、こっちは。
健診だけなのに、体に力が入ってガチガチになっちゃいましたよ。
ギュウッ、って手を握っちゃってましたってば。
麻酔だなんてとんでもないです。
恐ろしいよー。

帰りに受付で「次回の予約、いつになさいますか?」と聞かれても、怖くて予約できませんでした。
どうせ、自然治癒しないなら、早いほうがいいのは分かってるんですけど、
決心がつかずにグズグズしてたら
「じゃ、いらっしゃる時には電話してください」と追っぱわれました。
家に帰ってからも、予約電話入れる勇気がでません。

このままじゃ、美味しいもの口いっぱいに頬ばれません・・・。
アイスクリームも、甘い物だって歯に滲みて、食べられません・・・。
うっわー、いつ行こう・・・
てか、やっぱり行かなきゃダメっすか・・・?
歯医者に行かないで、虫歯治す方法ってないんですか?
・・・Google検索しちゃおっかな。



11月15日(金)

「amazon」

歯磨きを念入りにして、まだ歯医者に行ってない。
このまま自然治癒しないだろうか・・・と無謀なもくろみをするtuziです。



私はいま、落語に夢中です。
図書館から借りてきた、カセットテープがきっかけでしたが、
一度に借りられるのが3点までと限られている。
順に借りているうちに、図書館の人が「落語が人気」だと言う。
「そうなんすか?」
そりゃマイブームではありますが、巷でも落語人気なんだそうでして・・・ホントかなぁ?

図書館にはカセットテープだけかと思っていたら、CDも豊富にそろってありました。
志ん生、円生、文楽、金馬の全集。志ん朝、小三治、志の輔、枝雀も数枚そろってる。
かなり豊富でしょ♪
でもね、名人ひととおり聞いてみて、私が好きな噺家さんは、
一に八代可楽、二に可楽。三、四も可楽で、五に六代柳橋。
でもさ、このふたりに限って、ないんだよねぇ。
図書館になけりゃ、amazonでしょ!

amazonに数枚注文してから、町内にある他の図書館を検索してみた。
あるんじゃん♪(喜!)
NHKでの放送分、ほとんど揃ってるんじゃん!
あれー、amazonに注文しちゃったのもあったじゃん。
未開封のままだから返却できないものだろうか・・・と、30日以内なら可能みたい。
amazon直接ではなく、出店しているところから購入したのだが、それでも可能なら返却したい。
そう思ってリクエストしたら、すぐにメールがきた。
私と出店者に同じ内容で、「次回、出店者から連絡が来ます」ということだった。
「ほー」
すると、すぐに出店者から連絡メールが届いた。
今度はその出店者に質問があって、私の住所、電話番号、メールアドレス入りで返信したところ、
その返事が、なんとamazonから返ってきた。
私は出店者に直接送ったつもりだったが、実はamazon経由だったのだ。
なぜかというと、私のメールアドレスが‘amazonで削除しました’と非表示になっていたのだ。
同様に相手の出店者のメールアドレスも‘amazonで削除しました’と非表示になっていた。
「さすがamazon、最後まで責任持つんだねー・・・」
自分のところ(amazon)から出店させていているかぎり、購入者に責任を持つ、
その姿勢は、商いとしてはごく当然のことなんだけど、こと世知辛いインターネットの世界では、
あっぱれなんじゃないかと感心した次第だ。

・・・とまあ、可楽師匠の落語はどれを聞いても素晴らしい。
どの落語もだいたいマクラがいっしょで、3パターンくらいしかないような気がするのだが、
そのワンパターンのマクラから、さりげなく本ネタに入っていくスムーズさは、さすが一流である。
例えば、「二番煎じ」のマクラと「富久」のマクラがまったく一緒で、‘江戸の火事’のマクラだった。
「富久なのに?」
と思っていたら、さりげなく‘富くじ’に持っていくところなんざぁ、もう感心しちゃったねー。
そのマクラからいつのまにか本ネタに入ってた、なんてのは、もう神業だね。
私が、可楽師匠のネタで特に好きなのは「らくだ」「反魂香」「二番煎じ」である。
痺れるよ!

私は落語を聴くだけではなく、本もあれこれ平行して読んでいる。
昔に出た、月刊誌なんかも読んで、可楽師匠の人となり、も知ることができたし、
噺家さんの系譜も知識として勉強できた。
当時の本で、人気ランキング企画があって、志ん生の「火焔太鼓」と並んで、
柳好の「野ざらし」が人気ランキングで上位になっていた。
「聴いてみたいなー」と思って、さっそくamazonに注文した。
どんなにいいだろうと期待していたが、実際、柳好を聴いてみて思ったね。
「下手な落語なら聴かないほうがいい」
まるで色物だもん。
どうやら聴かせる落語じゃなくて、見せる落語のようです。

はじめっから可楽という一流の噺家を聴いてしまったがためでしょうか。
好みもあるけど、いかに可楽が上手いか、ってことですよ。
いかに柳橋が、文楽が、志ん生が上手いか、ってことです。
私は図書館にある多量のCDを全部網羅しようとしてますけど、
それは噺家にとどまったことではなくて、いまや、落語ネタを制覇しようとしてる感が
強くなってきちゃったんですよね。
そりゃね、全部のネタが可楽で聴ければいいですよ、でもそれはムリだもん。
そもそも可楽師匠の持ちネタはそう多くありませんからね。だいたい50くらいですかね。
それに比べて、落語のネタ、ったら大変なもんですからね。桁がちがうもん。

例えばね、「品川心中」ですがね。
これ、80分くらいの長いネタなんですよ。ですから高座ではだいたい前半のみ、
要するに途中で終わっちゃう。
後半は人気がないこともあって、最後まで噺す落語家さんも少ないようです。
可楽師匠も20分くらいで、最後まで話してないし。
だから可楽師匠では聴けないけど、円生師匠なら最後のサゲまで聴ける。
最後まで聴きたければ円生師匠で聴けばいいのだ。
「八五郎出世(妾馬)」だってそう。
可楽師匠では最後のサゲまで話していない。
最後まで聴きたければ、別の噺家さんで探すしかない。それでいいんですよ。
やっぱ、噺の最後のサゲまで聴きたいもん。それがたとえ、つまらなくてもね。

先日、古今亭志ん朝を聴きました。
古今亭志ん生の次男で、元祖サラブレッドと異名をとり、天才談志を抜いて真打になった人です。
「明烏」「文七元結」などは十八番と評判が高い。
そこで、図書館にある志ん朝を借りてきた。
「明烏」「船徳」「愛宕山」・・・上手いっ。
「居残り佐平次」「雛鍔」「宿屋の富」・・・いやあ、絶品だねー。
「文七元結」・・・感動した!涙まででたね。CDに向って拍手しちゃったよ。
‘七光り’だなんてとんでもない!精進した上での実力さね。
志ん生が志ん朝に志ん生の名跡を継がせる言わせただけあるっ!
惜しいねぇ・・・
遅ればせながら、志ん朝ファンになりました♪
朝に志ん朝、昼も志ん朝、夜は志ん朝、寝て志ん朝・・・
芸は一代限りと申しますが、志ん朝なきあと、円生、志ん生の名跡も不在のいま、
名人と呼ばれる噺家が、果たして寄席にいるだろうか?
・・・あ、小三治がいたか!



12月27日(金)

「虫歯とXmas」

自然治癒しないだろうか・・・と、もくろんだものの、
冷たい空気が入っただけで滲みるようでは不自由でしょうがない。
歯医者は怖いんだけど、そんなことは言ってられなくなって、すがるようにして行った。

治療1回目
まずはレントゲン。虫歯の具合からして、神経すれすれまで蝕まれているとのこと。
麻酔をして削ってみて、「残せるようであれば残すけど、できれば残してあげたいけど、
レントゲンを見る限り抜くことになるかもれない」とのこと。
‘まな板の上の鯉’とはこのことですね。
口をあけたら最後、お任せするしか仕方ない。
麻酔が始まった。注射かと思ったらそうじゃない。
ちっちゃい箱のようなものから、たぶん針が出てるのだろうが、よく見えない。
チクリともしない。
タラタラタララ〜、タラタラタララ〜・・・
オルゴールのようなのんびりした音楽が鳴り始める。
もう一個、別の箱が出てきて、第2液が注入される。
タラタラタララ〜、タラタラタララ〜・・・
痛くも痒くもない。
しばらくすると、唇の感覚もなくなってきた。
いよいよ治療が始まった。
麻酔がかかってるから、ぜんぜん痛くない。
「(なーんだ、こんなことなら夏に来るべきだったよ・・・)」
そんなこと思っていたら、
「神経は抜かなきゃいけないね」と先生。
「(く〜・・・だから夏に来るべきだったよ・・・(泣)」
あっという間に治療は済んで、詰め物されて帰された。
痛み止めも出されたが、夜中に少し痛んだけど薬を飲むまでではなかった。

治療2回目
クリスマス明けの治療。
神経を抜いたところに、薬を注入。
以上。
「痛むかもしれないけど、前回ほどではないからね」
次回の治療は年明け。
神経さえ抜かずに済んでれば、年内に治療終了だったのにー。
バカでしたー。



12月25日にXmasプレゼントが届きました。
amazonに注文していた本が届いたのです。。。
「真景累ヶ淵」
(しんけいかさねがふち)
といいます。作者は三遊亭円朝。
明治の落語家ですが作品も書いています。有名な「牡丹灯篭」なども円朝の作です。
なぜ「真景累ヶ淵」がクリスマスプレゼントになったかといいますと、
少し前に古今亭志ん朝の「真景累ヶ淵〜豊志賀の死」を聴いたのがきっかけでした。
‘豊志賀の死’というのは、「真景累ヶ淵」の一節にすぎないのであります。
豊志賀は死んでも、ワープして現われ、別の若い娘の姿を借りても現われるという怪談噺なのですが
これが面白い!
志ん朝自身も落語の面白さを「狐や狸が出てくるところ」と話しておりますが、私も同感です。
狐や狸ばかりでなく、お化けや幽霊、神様も、なーんでも出てきちゃう。
だから面白い!
「お神酒徳利」という噺がありますが、これにはお稲荷様が出てきますが、
これがまた仙人みたいなお稲荷様でしてね。
「お若伊之助」には大狸がイケメンに姿を変えて出てきちゃうんだけど狸だから能面な顔で無表情。
そこが落語のうまくできてるところでして。映像が浮かんできそうです・・・
ところで、「真景累ヶ淵」ですが、
‘豊志賀の死’は全編の前半に出てきますが、その前にも噺がありますし、
‘豊志賀の死’以降はまだまだ噺が続きます。
全編読んでみたくなりました。
落語家さんで全編を聴くとなると、三遊亭円生、桂歌丸あたりでしょうか・・・
とにかく長編なんです。ですので、本を買いました。
早く読みたくってウズウズ・・・寝正月に読むのを楽しみにしてます。
・・・してました。
けど、仕事が入っちゃいました。
年末年始は仕事します。
落語を聴きながら仕事します。
「真景累ヶ淵」を読むのはその後のお楽しみ♪ってことで。
てか、怪談「真景累ヶ淵」をプレゼントってことにして喜んでるってのもねぇ・・・。