2007年7月-12月
7月5日(木)
「時代劇ふたたび」
一年前(「時代劇」参照)北往路欣也主演の「大岡越前」が好きで毎週楽しみに観ていた。
だけど、それはあっけなく最終回を迎えてしまった。
そして今年4月から始まった北往路欣也主演の「八洲廻り桑山十兵衛」。
特別宣伝もなしに始まったその時代劇は、これまで聞いたこともなかった‘八洲廻り’の役人が
主人公で、妻に先立たれ、小さな女の子の父でもある男の設定である。
八洲廻りのお役目のため、可愛い子供を江戸に残して出張、出張・・・
お役目が終わって江戸に帰るとなると妙に勘が働き途中まで迎えに出る、
その小さな女の子の役をしている子役の女の子も可愛いかった。
「八洲廻りに刃向かう者、切捨て御免っ!」
一捻りある事件のあざやかな解決が一番の見ものだったが、
仕事でみせる険しい表情とは一変、娘を預けている義理の姉にだけは頭が上がらず、
娘の前では甘い父親の顔になるギャップもまたよかった。
「大岡越前」の時もそうだが、北往路欣也主演の時代劇はいつのまにか始まり突然終わる。
ようやく始まった北往路欣也主演の時代劇。
喜んでいたのに、突然の最終回予告。
「え?最終回?・・・くっ、またかよー!」
しかも7月の第二週で最終回・・・これって中途半端過ぎやしませんか?
新番組は松方弘樹主演の時代劇だそうだ。
・・・次回の北往路欣也主演の時代劇を心待ちにする私なのだった。
だって、殺陣回りさせたら今は北往路欣也じゃないのぉ?
そういえば、北往路欣也のお父さんは往年の大スター市川歌右衛門(代表作「旗本退屈男」)で、
そのお父さんに年とり次第に似てきていると言う。
私は笑点の木久蔵が物まねする市川歌右衛門しか知らないが、(たぶん「旗本退屈男」のセリフ)
その名前くらいは聞き覚えがある。キリッとした二枚目スターだったらしいことも・・・
血はあらそえないね・・・
7月30日(月)
「手首の夏休み」
腱鞘炎が治らない。
一時良くなったかと思ったりもしたが、ここのところまた調子が思わしくない。
家事仕事は重労働だ。
夏は特にツライ。
洗濯の量だって多くなる。しかも水分で重量は何倍にもなっている・・・
夏はどうしたって洗濯機を回す回数も増える。
シーツやバスタオル、タオルケットのような大きなものばかりだから、
広げて干すのだって手首を酷使することになる。
夏といえばナス漬け、そりゃ大きな桶を持ち上げ振る。
その上に重石をヨッコラショ!と乗せとなれば、手首生命をかけるほどの覚悟が必要だ。
今度はカボチャだ。
これに包丁を入れるのは力仕事以外のなにものでもない!
おまけに丸い。そしてウチの包丁は切れないときてりゃ、手首にかかる重量は半端じゃない!
極めつけはスイカだ。
欲張って大きいものを選ぶから、そりゃ口に入るまでが大変だ。
手首に全体重をかけて割るしかない。
・・・とまあ、夏は手首が休まらない。
てなわけで、手首にも「夏休み」が欲しいよー。
8月3日(金)
「熱帯夜」
昨晩は暑くてなかなか寝付かれなかった。
昼は裕に30℃を越す猛暑だった。
汗が首を滝のように流れる。
冷房もつけずしのいでいたが、そのうち息苦しくなってきた。
たまらず水風呂に入って少し落ち着いた。
夜になっても気温は下がらず、おまけに無風状態・・・
よほど温度が高いのだろう、夜だというのにセミが一斉に鳴いていた。
「セミって夜でも鳴くんだ・・・」
8月10日(金)
「親方」
ここにきてようやく‘親方の責任’が語られるようになった。
朝青龍の腰痛(仮病)に始まった一連の騒動・・・
だいたい、場所が終わる度にモンゴルに帰るってことからしておかしいだろ?
しかも、親方に黙ってだよ?無断でだよ?おかしいだろ?
常識なさすぎだっ!つーの。
帰郷するなら帰郷するで親方に一言ことわってから行くだろ、ふつう。
そしてだよ、無断で帰られて、日本に戻ってきたら
「何で一言ことわってから帰らないんだ!(怒)」と、親方が叱らないんだ?
叱らないで黙って見過ごす親方も親方なんだよ!
そんなだから、つけあがって、毎回毎回無断で好き勝手放題されるんだ!
日本人なら無断で帰ることへの無礼さ、後ろめたさがあって当然だが、
朝青龍は外国人なんだから、親方が教育しないと、それでいいもんだと思ってしまうだろ?
親方の教育がなってないんだよ!(怒)
腰痛(仮病)理由に地方巡業怠けて、モンゴルで元気いっぱいサッカーして遊んで帰ってきたら、
理事長に謹慎と減俸言い渡されて、今度は落ち込んでるってー?
ふざけんなっ!
成田に着いた時、オラ見てたぞー!
半笑いだったじゃないかー!
自宅と部屋の行き来ができるんだから、稽古しろっ!
毎日稽古してりゃいいじゃないかっ!
何で落ち込むことがあるんだ?
減俸されて落ち込んでるからってモンゴルに帰すって?
ふざけんなっ!
モンゴルでのびのび羽のばしてゆっくりして来い、元気になって来い、ってかっ!?
甘いんだよ!
理事長も理事長だ!(怒)
朝青龍呼びつける前に、もう何年もまえから高砂親方を叱んないでどうする?
「おまえの教育がなってないんだっ!(怒)」と一喝するのが順序だろっ!
第一、朝青龍を「強いから」だけで横綱にしちゃうことからして軽率なんだよ!
相撲協会も相撲協会なんだよ。
あんなの横綱にして、問題が起きてからじゃ遅いんだよ。
横綱の降格があればだけど、それもできないんでしょ?
ああいった礼の欠く奴はどんなに「強くても」大関止まりが妥当でしょ!(怒)
こうなったらみんなの連帯責任だっつーの!
朝青龍は親方の言うことなんか聞きやしない、わがままいっぱいの暴れん坊に育っちゃったんだから
今更なに言ったところで聞く耳なんて持ってないさ。
でっかい手のつけられない駄々っ子みたいなもんなんだから。
いま親方にできることといえば、朝青龍の首根っこに縄つけて部屋に引きずってきてでも
稽古つけることだろ?
あー・・・そっか、高砂にそんな力なんかないか・・・
これまでも朝青龍にまわし付けて稽古つけたことないんじゃないかなぁ?
・・・とにかくだ!
モンゴルから連れて来た親方なんだから責任持って稽古させろよ!
高砂にできないなら、理事長来いっ!稽古つけろ!(北の海ならなんとかなるだろ)
自宅に引きこもってるだぁ?
精神科医に診せるだぁ?
だったら、病院連れてけよ!(怒)
往診させてる場合じゃないだろっ!(怒)
そもそも、腰痛といい、精神科医といい、その医者は大丈夫なのかぁ?
腰痛もないような元気いっぱいヘディングするような奴に、
巡業休ませるような診断書くような医者は、医者じゃねえだろっ!(怒)
精神科医もおかしいぞ。「うつ病の一歩手前」だぁ?
ふざけんなっ!
うつ病になる人に‘一歩手前’なんてありませんからー!
ホントに病気なら薬でも飲ませろよ!
その必要もないし、ただふてくされて家に引きこもってるなら、稽古させろよ!
分かったか、高砂!
師匠が弟子の家を訪ねて、説得だぁ?
そんなバカな話しがあるかっ!
説得、って何だよ?
説得、というのはだな、いわばお願いなんだよ。
立場が逆だろ!
本来なら朝青龍が師匠の親方に頭下げて詫びるのが本当だろうがっ!
そんなだから、弟子と師匠の関係になれないんだ!弟子に甘く見られてんだよっ。
弟子にへつらってどうするんだよ、高砂っ!
会見だぁ?
そんなのどうだっていいよ。
精神的に参ってる、なんてかばってるけど、どうせ自宅で暴れてんだろ?
巡業ズル休みしてサッカーして遊んでたくせに、謝るのもイヤで逆切れしてんじゃないのぉ?
そんなのほっとけばいいじゃん。
さっき、外国人なんだから親方の教育、って言ったけど、それはあくまでも親方の言うことを聞く
師弟関係あっての話しであって、親方を親方とも思わない暴れ者に言い聞かせるだけムダ・・・
気づかせるしかないんじゃないの?
これからも日本で力士としてやっていくのなら稽古するしかないんだ、ってことを!
8月20日(月)
「2007年・夏」
今年は一週間ほど猛暑が続いて、さすがの私もバテました。
「熱中症は家の中でも起こる」って本当でした。
我が家は、茶の間にしか冷房がなく、トイレに行こうと茶の間から一歩出たとたん!
サウナのようなうだるような温風にさらされることになる。
モワ〜・・・
「うっ!・・・」
てな感じです。
私のパソコン部屋は2階にあるのですが、その2階はさらに温度が上がります。
台所が36℃をさしていたら、2階は40℃を覚悟せねばなりません。
だから昼間は怖くて2階に近寄れないのです。階段を上がることは命がけです。
そんな猛暑の中でも食事のしたくはせねばならず、一日のほとんどを台所に立っていたわけですが、
不思議なことに、36℃の中で立ち仕事しているときはさほどではないのです。
が、そこから冷房した部屋に入って涼んでいると、却って具合が悪くなってしまうんです。
急激な温度差が体に堪えるのでしょうか?
そりゃ、36℃の中に立っていたら、頭は痛くなるし、火のそばで調理してたらフラフラしてきますよ。
「い、い、息ができない・・・」
それで茶の間に避難するのですが、避難するときは既に遅し、なのかもしれません。
既に熱中症の症状になってるわけですから・・・
いったんそうなったら、なかなか回復しないものです。
ですから家の中でも熱中症は起こりますし(むしろ罹りやすいかも)救急車で運ばれるのも頷けます。
テレビでしてましたけど、首や腋の下を冷やすのが効果的だそうです。
熱中症は血液が熱くなって、それが脳に体にめぐるので、頭痛くなったりという症状がでるのだそうで
動脈を直接冷やせる首や腋の下に冷たいタオルを当てるのが効果的なのだそうです。
私も首に濡れタオルを巻いて料理するようにしたら少し楽になりました。
ま、とにかくムリは禁物。
そして、夏はお中元持って親戚回りにお墓参り。
財布持たないで行っても、行った先でご馳走になって、
おみやげ(自家製の野菜など)持たされて帰ってくるパターン。
そして隣県にお中元を持ってお墓参りに行きました。
遠い隣県に来る機会は滅多にないことなので、先に行く前に美術館2ヶ所に寄りました。
でも入場料金の割りに大したことなくて、少々ムッときてたのですが、
美術館の分館にとある画家の絵のコレクションがとってもよかった。
私は初めて耳にする画家だったのですが、その一連の題材に惹かれるものがありまして・・・
この‘コマ猫’のある美術館の分館はお薦め!
夏といえば‘冷やし中華’が定番だが、ここ隣県では‘冷やしラーメン’が定番らしい。
近くのスーパーなどで袋詰めされてる冷やしラーメンを買って、家で作ったことがあるが
それは‘冷やし中華’の麺がラーメン、でしょ?
でも、ここ隣県では違うんです。
見た目は温かいラーメンと変わらない、文字通り‘冷やしラーメン’。冷たいラーメン。
私は初めて食べました。
威勢のいいオバサンが仕切る店内は超満員御礼。
この日は雨が降ってしばらくぶりに涼しくなったので、ふつうの温かいラーメンが売れ筋でしたが
せっかくなので‘冷たいラーメン’を注文することに。
味は・・・可もなく不可もなく、ってとこですかね・・・
スープの中から氷がでてきた。そして上にはレモンが添えられ・・・
帰りは温泉に入って、夕飯も済ませて、家に帰ったら寝るだけ〜
帰りの道というのは‘温泉街道’なので、順を追って昨年入った温泉の次に立ち寄ることに。
というもの、昨年のうちに「来年はここ」とめぼしをつけていたのだ。
そこは泉質がヌルヌルしているので、通称‘へび湯’とか‘うなぎ湯’などと呼ばれているのでした。
「どんなだろ?」
と期待していたが、思ったよりヌルヌル感はない。もっとヌルヌルしてるのかと想像していたのだ。
手ですくったら糸が引くように、あんかけ風に・・・とかね。
しかし、とってもいいお湯でした♪
雪ではありません、雨です。夕飯は‘冷やし中華’今日は「麺day」になった・・・
「暑いよ〜ぅ!」と言いながらも、立秋過ぎて残暑です。
人間、暑いだ寒いだ・・・言ってる間に季節は移って、あっという間に一年が過ぎてゆくものです。
寝苦しい夜も、秋の虫が鳴くようになりました。
風もひんやりしてきて、もうすぐ秋がやってくるんだな・・・と感じます。
暑くてどうしようもない夏でも終わってしまうとなると寂しい気がしてる、そんなこの頃です。
9月5日(水)
「半額売りつくし」
先日、車で30分ほどのところにある文房具屋のチラシが新聞の折込に入ってきた。
その文房具屋は市内に3店舗あって、そのうちの1店舗が改装のため売りつくしをするというのだ。
その期間の前半が30%引き、後半が50%引き。
だったら誰しも50%引きの期間中に行くでしょうが。
私もこの機会に書道用品を買いだめしようと、開店の10分くらい前に着くように車を走らせた。
駐車場は私のちっちゃい軽がようやく停められるスペースしか既になく、
私を最後に入庫拒否されていた。そして店の前には早くも行列ができていた。
「早く行かないとお目当ての品は売り切れるだろうし、と誰しも考えることは同じ・・・」
開店と同時に私は真っ先に書道品売り場へ。
思ったより、群がってはおらず、余裕で買い物をする。
それにしても店内は凄い人だ。
半額だから、と他にもあれこれ小1時間ほど買い物をして、さてレジへ・・・
あらー?
棚と棚の間に長蛇の列。どこが最後尾なのかわからない状態。
カゴを持って爪先立ちしてみても、うねうねと曲がりくねった列の最後が分からない。
「あっちのほう」
と並んでる人に教えてもらって並んだはいいが、これではいつのことやら・・・
私の前に並んでいた元気のいい(怖いくらい)おばちゃんが列の並び方に物申す。
「どうしてこっちに並ばないのよ!(怒)」
列が長すぎて、同じ棚の通路に戻ってるのでだった。
「戻らないで隣の通路に並んだらいいじゃないのよ!(怒)暑苦しいっ!」
ごもっとも。私も同感だ。
でもって、このおばちゃん、律儀に前の人にくっついて並んでる人に
「こっちに来なさいよ!」とか言い出した。
でもその言われた若いおばちゃんは前の人にくっついてないと列が乱れると思ったのか
ナンだカンだ言って、なかなかレーンを変えようとしない。
そしたら機転の利く、さっきのおばちゃんが「頭悪いんじゃないの!?(怒)」とか言い出して・・・。
そんなこぜりあいがあったりで。
レーン変えは私から後ろが動かないことで調整したんだけど・・・。
レジは2台あることにはあるんだけど、とにかく列がなかなか動かない。並び始めて30分経過。
私の後ろに並んでたのはコピー用紙持ってるおねえちゃんだった。
持ってるのはA4とB5の2冊だけ。
「(それっぽっち買うのに、わざわざこの混雑した店に来なくたって)」って内心思ってた。
そしたら携帯をかけはじめて、
「今、30分並んだんですけどー、まだ1時間くらいはかかりそうです。
それまでコピー用紙間に合わせてて下さーい」なんて言ってる。
はあ?
もしかして仕事中?
おつかい?
急ぎのコピー用紙?
だったら尚更のこと、他の店で買ってさっさと事務所戻るのが本当なんじゃないの?
こんなとこで延々レジ並んで油売ってる場合じゃないと思うけど。
こいつも律儀にいつも買ってるこの店で買わないと、いかんと思い込んでるのか?
それにしても機転利かせろよ。こんな日なんだから。
ここの店じゃないといけないとしても、他にも店舗あるじゃない?でしょ?
そう思って聞いてたら案の定、事務所から電話がかかってきて、
「・・・はい、わかりました」って帰っていった。
バカか!頭使えよ!
「帰って来い」って言われるのが当たり前じゃろ!
コピー用紙2冊買うだけで1時間も2時間もかけるバカがどこにいる!しかも急ぎだってのに!
で、結局。レジ待ち2時間。私も立ちっぱなしで頭がガンガンしてた。
で、ようやくのレジ。半額とはいえ、小さなものが積もり積もって結構な額になっていた。
ちょっとビックリ。
家に帰って計算機たたいてみたが間違ってない。
半額だからってかごに入れて‘狐につままれた’感じ。
「塵も積もれば山となる」とはこのことだ・・・
レジ待ちの人の手に持ってる商品を見ると手に持てる範囲のものばかり。
たかが文房具、私も含めひとりひとりは大した額ではない。
だって、子供の折り紙とか、クレヨンとか。大人だったら封筒とか筆ペンとか・・・
そんな小物を買いに何時間も並んでるわけで。
私がやっとのことで店を出る頃にはレジ待ちの列が店の外に出そうなくらいに延びていた。
半額とはいえ、この人たちは3時間待ちか・・・くらくら・・・
9月7日(金)
「道具」
(前回のつづきで)
・・・くらくら
しながら私が手に入れた書道用品に、仮名用の半紙と、小筆2本がある。
それというのも、近々昇段試験を控えており、私が受けようとしているのが、仮名と細字だからだ。
前々から「道具が悪い」と先生に言われていたので、この半額の際に筆が欲しいと思ったのだ。
そうは言っても、いざ買うとなると、いくら半額でも渋ってしまう。
翌週。
習いに行ったときのこと。
新しく買ったのは持たずに、いつもどおりの道具で仮名を書き始めた私。
仮名は墨を水から磨ったものを使う。
私は小学生の頃から使い続けている硯に水をたらし、これまた小学生の頃使い残した
今やカビの生えた墨を使って磨り始めていた。
最近書道を習い始めてからずっと使ってるのに、なかなか減らないな?と思っていた墨だ。
硯はと言えば、長いこと洗ってなかったが、墨がこびりついて池が埋まってきたから
洗ってみたら、丘がコンクリートのように白くなっていた・・・
いつまでもゴシゴシ磨っている私を見かねてか、先生が「磨れてないんじゃないの?」と言う。
磨れないなんてことがあるんだろうか?
でも言われてみれば、この墨なかなか減らないよな?ゴシゴシいつまで磨ってても薄いままだし・・・
さらに「硯が悪くても磨れないのよ」と先生。
どうりで墨は減らないし、硯はコンクリートだし・・・磨れてなかったのか?!
「それにその墨、仮名用じゃないでしょ?」
へ?
墨に仮名専用があるの?
・・・知らなかった。
「墨は古いほど良くなるものだけど・・・」
古さにだけは自信があるんだけど・・・
「tuziさんのは古いだけで・・・筆は中国製だし」
確かに・・・
筆は本数だけはたくさんあるんですけど、どれもこれもまともなのが一本もないときてる!
墨もダイソー、硯もダイソー、紙もダイソー、おまけに筆は中国製、もちろんダイソーのもある。
これでは昇段試験はキビシイぞ・・・(←やっと気がついた)
以前から道具の悪さだけではひけをとらなかった私だが、今度ばかりは道具を一新しないと!
なんたって昇段がかかってるんだから!
以前は龍先生にも「よくこんな道具で書けるね」みたいに言われてて、
今度は晃先生に「道具を吟味しないとね」と毎週のように釘刺される始末。
私だって分かっちゃいるんだけどさ・・・だって私本人が書きづらいんだから!
晃先生は「腕はいいんだけどね・・・道具がね・・・」と言ってるけど、
腕だって道具次第のとこあるじゃない?
半額売りつくしで墨と小筆、ふんぱつしとけばよかったな・・・っていまさら!
一新するったってダイソーで総入れ替えかよ・・・って、それじゃ総入れ替えの意味ないじゃん!
9月18日(火)
「進化する、」
ブラジルで開催されていた世界柔道が不振のまま終わった。
日本柔道と審判(ヒゲの)とのギャップは広がるばかり・・・
100キロ級の鈴木の判定は承服しかねた。
どう見てもあれは鈴木の一本が決まってるじゃないか!
日本人の目には一本が決まっても、ふしあな審判団の目には相手側の一本だという。
この試合の真偽は?
翌日、平成の三四郎こと古賀のコメント。
「こちらが技を仕掛けても外国人選手は技を掛けられながらも技をかけ、
こちらの技を返すことで自分の一本にしてしまうんですね。
そして審判もそうみるし、外国人選手はそういう練習を積んできてるんです。
柔道が‘進化’してるんです。」
なにぃー?!進化だとぉー?!
それは柔道なのかっ?!
日本人は技を掛けられたら潔く「(技を)掛けられた」という意識を持つ。
もちろん、それを返すことはできる。
しかし、「(技を)掛けられた」というお互いの意識はあるわけで、そこには勝敗の美意識がある。
それでこそ柔道というものだ!
しかし、外国人は違う。
技を掛けられても、さらにそれにちょこざいな技をかけて返そうとする。
だから相手の技を返した時点で、自分の一本にしようとする。逃げの一本とでもいうか。
そんな、ムチャクチャな!
往生際が悪い、極めて汚い一本だ。そこには美しさのかけらも感じられない。
しかも、審判(ヒゲの)が一本を一本としてとらなくなってるじゃないかっ!
日本人の審判員っていないの??
審判の仕方は誰が教えた?誰が指導した?
責任者、出て来いや!(←高田さんで)
いや、審判のことは、もう話したくもない・・・
日本柔道は古来より、勝者を敬い、負けても潔い美しさがあった。
それが進化だとぉ?!
日本柔道だろ?!それがなぜ進化しなきゃならないんだよ?
よしんば進化だというなら、それはもはや柔道ではない別のスポーツだ!
折りしも山下が落ちて日本人の理事がいなくなった。
レベルの低い審判(ヒゲの)に問題があるはずなのに、それに対して迎合するしかない日本柔道。
世界から目標にされない日本柔道。
そういえば・・・もし、柔道で強くなりたかったら「日本に留学したい」とか、
「日本に修業に行かねば」、と思われるような日本ではなかったような気がする。
外国人は自国で(外国)柔道を学び、好き勝手な審判をし楽しんできたようだ。
それが逆に世界レベルの大会で通用させてきている。
日本がその制度に屈服しなきゃいけないなんて・・・合わせていかなきゃならないなんて・・・
日本柔道は完全に外国の食い物にされている。
情けない。
柔道経験者までもが、外国ルールのようなものに合わせた練習を、と本気で考えてるなんて。
オカシナ外国人審判に物申せないなんて・・・
曲げて受け入れていかなきゃならないなんて・・・
見ているこちらが「一本!」と叫んでも、審判が一本をとらない。
そんなギャップがここ数年続いている。
それは、もはや柔道じゃないだろっ!
篠原の時もそうだった。
あれは篠原の一本だ!
レベルの低い審判に泣き、私も泣いた。
今度の鈴木も一本勝ちしてるはずだ!
外国の練習では正確な日本柔道を教えていないとしか考えられない。
いったい、誰が教えてる?誰が伝えた?
日本の責任者、出て来いや!(←高田さんで)
相撲といい柔道といい日本の美が外国に侵食され失われていく・・・
このままでは日本柔道は消えて廃れて消滅するだろう。
古賀の言うように柔道が‘進化’するというのなら・・・
世界ルール(ヒゲの審判)に合わせるというのなら・・・
10月1日(月)
「郵便局にて」
10月に入って郵政が民営化された。
その前にと思い9月下旬、すぐ近くの郵便局に用足しに行った。
周辺の田んぼでは稲刈りの真っ最中。
郵便局内にも知人や親戚に新米のおすそ分けの小包が山と積まれていた。
私がいる間も近所のおばちゃんやおじちゃんが軽トラで次々と運んでくる。
郵便局局長自ら新米運びに追われていた・・・
私はといえば、知り合いのおじさんにバッタリ。
「お久しぶりです」
から始まって、家族の話しになり、仕事の話しになり
「いやあ、今は時間が取れなくて仕事は・・・でも週に一度、太極拳だけは教えてるんです」
「太極拳?あんた太極拳してんの?」
「ええ、それがなかなか生徒さん集まらなくて」
「だったらさ!今度集会所で収穫祭があるから、その時出てみたら?
そういうのに出てさ!中には‘やってみたい’って人いるかもよ。近場から広げていかないと!」
もっともだ!
そういう場を私自身求めてもいたのだ。
「それって、どこに申し込めば?」
「区長に言えばいいんだよ。そういえば今晩その会議があるって言ってたな」
「今晩ですか・・・」
「すぐ、区長に言ったほうがいいぞ」
このおじさんは尺八をなさっていて、私が筝で合奏したことがあるのだ。
お互い教室を持つ身として、宣伝での苦労は共通のようで、他にもいろいろアドバイスをいただいた。
郵便局で思いがけなく発表の情報が得られたので、私はその足で区長宅に向った。
あいにく、区長は畑に出ており、奥さんに聞いて畑にまで区長を追った。
今度の収穫祭に参加させていただきたいのだが、と話すと、
「・・・あぁ、はぁ」
と歯切れの悪い返事。迷惑なのだろうか?
「ま、各地区から2演目以上と割り当てられてますから、ま、話してみますよ」とのこと。
やっぱり歯切れが悪い。まだ、出演できると決まってないが、
「今年も踊りと、あとは婦人会にお任せしてたんだよ」
収穫祭といっても、近くの地区のお祭りで、会場は小学校の体育館。
出し物も民謡や踊り、飛び入り有りの歌謡ショーがメイン。
後は、若い奥さんのエアロビダンス。空手の型を披露した人も以前はあったとか・・・
とにかく、私自身観に行ったこともないから、見当もつかない。
郵便局で聞いた勢いで申し込んだはいいが、だんだん不安になってきた。
だって、太極拳は音楽なしじゃない?
でもさあ、全体の状況からして、民謡のあとでシーンとして太極拳したら浮くよね?
ま、音楽有りでも、おばちゃんたちの着物舞踊のあとで太極拳は完全に浮くよね?
「(うっわー、恥ずかしいよぅー)」
はぁ〜・・・
田舎での太極拳普及活動は疲れる〜・・・
てか、こんなんじゃ普及どころか、場違いでカッコ悪さを際立たせそうな気がする〜・・・
はぁ〜・・・
あの時の勢いはどこへやら、後悔しきりのtuziなのでした・・・(←バカだねぇ)
10月2日(火)
「予感的中」
昨日の「tuzi now」に書いたとおり、収穫祭での太極拳の舞台の件のつづきで・・・
出場できるかどうか定かでなかった収穫祭のことで、ついさっき区長さんが我が家にやってきた。
「参加できることはできるんだけど・・・ひとりなの?」
「ええ、そのつもりですが。何か?」
「いや、一人でできないって言われたんだよね」
「(?)」
一人で舞台に上がっちゃいけないの?
一人の出し物は受け付けないってこと?
「太極拳ていうのは一人じゃできないんじゃないか、って言われたんだよね」
「(?)」
誰に?
太極拳ができる私が一人でする、って言ってるのに、できないってどういうこと?
「館長が太極拳ていうのは一人じゃないんじゃないかって」
わからん!
太極拳と何かをゴッチャにしてないかい?
いや、それよりもなによりも、太極拳を知らない人に「一人じゃできない」って断言されることが
わからん!
ほかに、どこぞの知らないおばちゃんまでもが「太極拳は一人じゃ無理」と言いはってるらしい。
理解できない!
「何人いても同じことをするだけですが」といっても納得せず、
「生徒さんは最近できるようになったばかりですし」と言えば、
「一人じゃできない、って聞いたからね、婦人会の人に入ってもらおうと思ったんだけど」
と言われる始末・・・
説明する気も薄れ「一人でできる空手の型のようなものですから」と言っておいた。
なんで、私がひとりでする、できるんだ、と言ってるのに
「いや、一人ではできないものなんだ」とハタから言われなならんの!
まったく、訳わかんない。
結局、公民館長に電話を入れなければならなくなっちまっただ。
めんどくさーい!
その館長というのは、私が毎月運動場借りてる公民館長なのよ!
どんなだか知らずに貸してたってか!
太極拳のチラシも貼らせてもらってるってのに!
どうなってんの?
写真でも持ってったろか!
一人でできない太極拳て何なんだよ!?
あたしゃ、ガリレオかっ!
これだから、田舎での太極拳普及活動は疲れる〜・・・
10月3日(水)
「伝言ゲーム」
一連の‘収穫祭’のその後・・・
披露する本人が「一人で」と言ってるにも関わらず、なぜか「一人じゃできない」と言われ、
すっかりガリレオになった私は、とにかく公民館長に電話して
その旨を話し合わなければならないハメになってしまった。
これは区長の役目だろうが!
分からん話だ。
何で私が?状態。
区長の話しでは、館長が「太極拳は一人じゃできない」の言いだしっぺかのような
言いぶりだったので、
「だったら直接行って話したほうが早い」と思い、ご丁寧に競技大会の写真持参で車を飛ばした。
館長の話しはこうだった・・・
「いやね、私も太極拳は一人でできる、ってことは知ってるよ。
でもさ、一人でするより、後ろにでも地区の誰かに入ってもらって、大勢でやった方が
見栄えもするし、楽しいんじゃないかな、と思って言ったのさ。
もちろん、形にならないだろうけどね、そこがまた笑えるじゃないの。」
「・・・ああ、それなら話しは分かります。ただ・・・見よう見まねと言ってもねぇ・・・(困)」
それに‘笑い’にされてもねぇ・・・
地区の舞台だから、親睦もかねての楽しいステージもいいかもしれないけどさ・・・
でもねぇ・・・
まったくできないと思うんだけど・・・
だって、こないだの公民館での講座でも一個の動きすら満足にできなかったんだから。
「私の生徒さんは半年休まず来て、最近ようやくできるようになったんですよ
そんな、即座には難しいんですよね・・・」
「ふ〜ん。ほら、テレビなんかで見てるとよくやってるじゃない。
できそうかな、なんて思ったりしたのさっ」
甘いっ!
ま、とにかく館長の言いたいことは分かりました。
後は、区長が地区の人にどう呼びかけるかでしょ。私は一人でいっこうに構わないんだしっ!
それに割り当てられる時間もないみたいだし。
「そこは短くできないの?途中までにするとかしてさ」
なにぃー?
出てもらいたくないのぉ?
迷惑なのぉ?
嫌がらせぇ?
やっぱり、嫌がらせだったのかぁ?
参加を阻止する陰謀なのかぁ?
‘笑ってもらって’だの‘短くしろ’だの(怒)
ここまでくると、私の出し物は「一人でします」から私の知らないところで勝手に一人歩きして
「みんなで楽しく笑えるような余興」に摩り替わってるじゃないか(涙)
もう、どうにでもなりやがれっ!
私は公民館を出てすぐ区長宅に報告に寄った。
「館長が言いたかったのは、‘一人でするよりも地区の人たちにも一緒に入ってもらったほうが
楽しいんじゃないか’ということでしたよ」
「・・・ああ、そういうことだったの・・・んじゃ、婦人会にでも声かけてみようかね」
(え?)
「地区から2演目限定だそうですから、婦人会は婦人会で出し物があるんじゃないのですか?」
「いや、まだ決まってないって言ってたから」
(ふうん、そうなんだ・・・)
「・・・ま、とにかく時間を5日までに知らせて欲しいとのことでしたので。
私は5分程度ですが、どなたか入るとなれば10分弱ですかね・・・
それに練習も一回や二回は必要ですよ」
「え?そうなの?・・・そうなのかなぁ」
いきなり本番のつもりかいっ!
みんな、太極拳を甘く見過ぎだよっ!
それこそ本番で腰捻ったりなんだりされたんじゃ、堪ったもんじゃないよっ!
まったく、これだから田舎での太極拳普及活動は疲れるんだよ・・・
さすがに昨日今日は疲れがドカッときたね!
(館長)「一人よりも大勢の方がいいんじゃないか」
↓
(おばちゃん)「一人じゃできないものらしい」
↓
(区長)「太極拳は一人ではできないもの」
すでに話しが一人歩きしてる私の演目「一人で太極拳をします」は
この先どんな展開(転回)をみせるのか、ガリレオには見当もつかない・・・
てか、知りたくもない・・・(涙)
10月30日(火)
「収穫祭」
10月3日以来、またも音沙汰がなくなった収穫祭の件・・・
「一人じゃできない」レッテルを貼られた私の演目太極拳。
本番一週間前、区長さんがプログラムを各家庭に配布。
見れば私の太極拳、3人とある。
「は?だれ?あとのふたりはだれ??」
婦人会の人でも出るのかしら?出ることになったのかしら??でも聞いてないし!
それに本番まで一週間を切っているというのに、何の打ち合わせもない。
何時にどこそこ集合だとか、どこから出るとか、音楽はどうするとか・・・
父に言わせれば、「打ち合わせもなしに突然行って「出ます!」てなわけにはいかないだろっ(怒)
区長宅に出向きそのへんの打ち合わせをするものだ!(怒)」と言う・・・
そうなのかぁ?
だったら、プログラム持ってきた時に一言あってもいいんじゃないのぉ??
もしかしたら、本番当日突然行って「出ます!」てな感じの、そんなもんじゃないのかぁ??
「打ち合わせ、ったって・・・別にないし・・・(モゴモゴ)」
そう思っていたが、翌日一応、区長宅に行ってみた。
「いや、別に、出番近くなったら来てもらえればね」だった。
「お昼が出るから、それ食べてさ。音楽?当日でいいと思うよ。毎年そうだから」
やっぱり。
「3人としたんだけど、婦人会でも「即座には・・・」ということになってね」
前日まで音楽持ってきて、って会場の人には言われたてたけど音合わせもないし、
ましてやリハーサルもなしのぶっつけ本番。
やっぱ、そんなもんなんだ・・・
そうは言っても、私は公民館長から「時間を短く」だの「笑いをとれ」だの言われていたから
私も気をつかって音楽には馴染みのある大河ドラマ‘風林火山’の二胡バージョンを選び、
その演奏時間4分ジャストで終われるように套路を作ったりしていた。
3、4回練習しただけで、ピッタシに終われるかどうかは水物だが。
表演服は袖の開いた伝統服にした。
本番当日。
朝、区長さんがやってきて、音楽鳴らしてみるからテープ預かって行くという。
「でしたら私持っていきます。舞台の広さも確認しておきたいですし!」
グットタイミングだった。近くの体育館なので、すぐさま‘ひとりリハーサル’をしに向った。
お昼の開演だが、行ってみると朝の9時だというのに準備の人たちでごったがえしていた。
準備といっても、ござを敷くくらいで、これといった仕事もなくうろうろしてるみたいだったが
ともかく朝早くからご苦労様なことだ。
今年の音響さんは若い人だったが、昨年の音響は最悪で、マイクの調子もひどかったという。
そりゃ、音合わせもなくてぶっつけ本番じゃそーなるわな・・・
音合わせと舞台を確認して戻ったら、区長さんが今になって突然「教室のPRもしてもらってさ」と言う。
「(え?してもいいんですかぁ?)」
それこそ、打ち合わせじゃないけど前もって言ってて欲しいところだ。
私は家に戻り司会の人に読んでもらおうと簡単な原稿を急いで書いた。
収穫祭というくらいだから、お祭りである。
来てくれた人におにぎりとトン汁がふるまわれ、演芸を楽しんで、最後は豪華景品の大抽選会!
そんな一日を楽しんでもらおうという主旨の催しである。
せまーい、地区のお祭りである。
出し物も、地区の音頭やら、歌謡に合わせた踊り、カラオケで熱唱・・・そんな感じ。
来賓には地元町議会議員やら、遅れてやってきた町長らが列席。
あわよくば、私の太極拳もこれを機に町で活用してくれたらな♪と思ったりもしてたが、
いかんせん、私はそんなアピールが大の苦手ときてる。
ヨイショもできなきゃ、リップサービスもできない、
「(営業能力ゼロのガンコ一徹太極拳職人だよな)」と、我ながらつくづく思う・・・
舞台は小学校の体育館。観客席はござにお座り。満員盛況!
どこにでも現れるヨサコイ
踊りといえば、どの方も傘がつきものみたいで・・・
スナックのママも参戦 恒例のカラオケ大会
そんな合間の太極拳はどないなものでしょう・・・
尺八のおじさん、この人と郵便局で遭遇しなければ私の今日の出演はなかった
爆笑寸劇。公民館長が望んでいるのはこういった出し物かも。
そして最後はお楽しみ抽選会。
全員にいきわたるかと思うほどの、ものすごい数だったのにハズレた。。。
私はこの今年で9回目の収穫祭を出演がてら初めて見学し、美味しいトン汁いただきながら、
地区の人たちの出し物をくつろいだ気分で楽しんだ。
集まった人たち、出演者の方たちは、幼い頃見知った近所のおじちゃん、おばちゃん、
同級生のお父さん、お母さんたちで、「tuziちゃん!久しぶりねー」と声をかけられることもありで・・・
そんな懐かしさも加わり、私なりに秋の一日を楽しく過ごすことができた。
尺八のおじさんに郵便局で出会わなければ、この場に居合わせることもなかったことを思うと、
人との縁の不思議さを感じずにはいられない。感謝である。
さて、私の表演はどうだったかというと、音楽ピッタシに終了!
私的には大成功!すごいぞ私!
でもぉ・・・
会場の反応はいかに?
拍手、されたっけ??
笑いなし、ウケなし・・・ただただ静かに見守られたもよう。
教室のPRもしたんだけど、なーんかイヤらしくないぃ?
ちょっと、この雰囲気の中、教室のPRは場違いだったような・・・
着替えて会場に戻ったら、隣に座っていたお姉さんに「私も始めようかしら」と話しかけられた。
「月謝とかあるんですか?」
やっぱり、そこが一番気になるところらしい。というか、そこが決め手らしい。
「はい、月4回で××円いただいてます」と言ったとたん!お姉さんの顔が曇った!
あ、こりゃダメだ・・・
「4回で?」
うむむ。。。それはどういう意味じゃ?
・・・ハアー。
これだから田舎での太極拳普及はタダじゃないと成立しないってことか・・・
地域還元もありかなと思ってみたりもするが・・・
でもま今回は、「太極拳は一人でもできる!」ってことが
分かってもらえただけでも収穫だったとしよう!
11月25日(日)
「ミシン・その3」
2004年7月の「tuzi now」のミシンシリーズの続き・・・
いったんは、なんとかかんとか使えるようになった、旧ミシン。
だけど、使ってるうちに裏糸がゴニョゴニョになってダンゴになって、
すぐに糸がプツンプツン切れて進まないし、針までガガガ・・と板に
突き刺さったりして・・・結局使えなくて放置するはめに。
「このミシンを直せる人は現れまい・・・」
これまでこのミシンの修理にこれまで3,4人が挑んだが、誰も直すことはできなかった。
てか、うちにミシン屋と称してやってきた若いネエちゃんは、グリグリ引っ掻き回して
壊していったように思えてならない。
だって、その後、針が逆に付いていただの、部品が外れていただのだったのだ!(怒)
その前に来た若い兄ちゃんもそうだった。
結局、分解して元に戻せない未熟者だった。
修理なんてはじめから出来やしないハッタリだけのインチキミシン屋ばかり。
目的は、売ること。
‘高額なミシン’を、いや、‘吹っ掛けて高額にしたミシン’を訪問販売したいだけのこと!
そんな営業マンが次から次へとやってきては壊して行った・・・(悲)
もう、壊されたミシンは治らない、そう私は腹をくくっていたのだ。
30年前に購入した母でさえ、
「専門家の△△さんでさえ、直せなかったのだから無理」と語っていた。
営業の人はいるけど、昔のように修理できる技術を持ってる人がいないということ。
日本は、リサイクルだなんだと騒ぐのがステイタスのようにしてるくせに、
その実‘飽食’で‘使い捨て社会’。
それもそのはず、技術者がいない。機械化されて、大量生産で、構造を知らないでも商売になる。
ミシンも、結局プラスチック製品で、壊れたらおしまい。直す技術からして無用。
職人が姿を消し、口先三寸の悪徳商人ばかりの世の中・・・
「(本当は足踏みミシンが理想的なんだけどな)」
「(だって、電気いらないし・・・)」
だけど、そんなことぼやいていても始まらないわけで。
今時、ミシンは1万円代でも買えるようで、広告に載ってきたミシンを眺めながら
「(メーカーもしっかりしてるし、これなら下手な調整もなしに縫えそうだし、
家にあったら重宝するのでは?)」そう思っていた。
でも、是が非でもというわけではなく、そんなに頻繁に使うものでもないし、なけりゃないで、
これまでどおり手縫いオンリーでやっていくさ・・・
けどぉ、手縫いでの限界もあるにはある。ミシンじゃないとということもたまにあるものだ。
「ミシン欲しいなぁ」
と言っていたら、思いがけずプレゼントされた(嬉)
特に縫う物もなかったが、ためし縫いに父のズボンのボロを継いでみた。
壊されたミシンは直線縫いしか出来なかったが、今度のミシンは模様縫いもできる。
「ジグザグで縫ってみようっと♪」
父のズボンの穴をジグザグで何度も何度も縫って埋めたった!
手元のボタンひとつでスタート、ストップが出来るのも便利だった!
糸掛けも、いちいち穴に通したり引っ掛けたりがないから超簡単!
‘ミシンを買う’ということは、私にとって一生に一回限りのことで、
‘家を建てる’とか、‘新車を買う’くらいの思い切りが必要なことなのだ。
(↑いささかオーバーか?)
こうして‘一生もん’の財産であるミシンを手にした私のもとに予期せぬ人物が現れようとは・・・
(つづく)
11月30日(金)
「ミシン・その4」
‘一生もん’の財産であるミシンを手にした私のもとに予期せぬ人物が現れたのは
購入して一週間も経たない、夕方も暗くなってからのことだった・・・
「先ほども伺ったのですが、お留守だったようでして・・・」
と話し始めた初老のその人は、手書きの名札を胸にこう名のった。
「私、ミシンのBに10年、その後Jに15年勤めまして現在はミシンの修理を専門にしてる者です」
またまたあ、そう言いながら新しいミシン売るつもりじゃないのぉ?
疑い深い私は
「新しいミシン買っちゃったばかりでしてね」
「古いミシンがあると聞いたものですから、ちょっと見せてもらえないですか?」
そう言われて、これまで何度見せたことか。
その度に壊していきやがって、もう収拾がつかないくらい壊されてしまって懲りてる私は
やだ!見せたくないよっ!と思って
「誰も直せないし、これまで何人もの人に逆に壊されてるんですよ!」
完全拒否。
「とにかく、直るかどうか見せてだけいただけませんか?」
これまで来た人と違って年齢的にも上だし、売るつもりはないと言うし・・・直らなくてもダメもとだし。
私は考え直して玄関先にミシンを持ってきて見せた。
いじったりしたらタダじゃおかないんだから!
そしたらこの人、ミシンをひと目見て
「いいミシンですねぇ」
そりゃそうよ。家のお宝なんだから。
これまで来た若い奴らみたいに「下取りします」だの「廃品として持って行きます」だの
言いようものなら、「お帰りはあちら」だぞ!
「直りますよ!大丈夫直ります」
またまたぁ。安請負しちゃってぇー。
「ホントにぃ?」(←本気にしてません)
「ええ、ここで直します」
「でも、新しいミシンがありますから・・・」
半信半疑の私は、修理代が買うより高くつくと思い、
「おいくらぐらいで?」
と聞いてみた。
「5,000円までしません」
安いじゃん!
だったら直してもらおうかな、直るものならね。
私はどうせ直せないさと思っていたから、挑戦だけは受けることにしてあがってもらった。
「いやあ、実にいいミシンですね。大事にしてくださいよ。あと50年は使えますよ」
それは分かってる。
現代のプラスチック製じゃないし、どんな厚物でもガンガン縫えちゃう馬力もある。
初老の職人は、まず掃除から始めると言う。
「直すのはすぐなんです。ミシンのような精密機械は掃除が大事なんです」
そう言いながら、ちっちゃいブラシや雑巾、油を取り出し作業を始めた。
私は夕飯の仕度をするため、その場を離れたが、1時間経ってもまだ掃除が終わらない。
「(本気で直す気あんの?ただ掃除しておしまいだったりして?)」
2時間経過・・・
まだ掃除してる。念入りに油を差して。
見てると神経質なくらい隅の隅まで拭き拭きして、たっぷり油を差しては回している。
それでどうなの?直るのかい?
「どうですか?」
「掃除に時間がかかるんですよね・・・(ゴシゴシキュッキュッ)」
掃除ばっかりで、なかなか修理に入らない。
「(本当に大丈夫なんだろうか?)」
四方山話に、足踏みミシンのことを聞いてみた。
「今でも足踏みミシンてあるんですかね?」
「ありますよ。私の家には、あ、いや実家の方ですけどね、
そっちには300台くらいのミシンがあります」
「300台も?」
「ええ。こうして修理しに行くと‘もう使わないから’っていうお客さんが‘持っていってくれ’って」
「ふ〜ん・・・で、足踏みミシンて買ったらいくら位するものですか?」
「私が譲るなら・・・バンドが2,000円くらいもらいたいから・・・」
え?2,000円て安すぎない?
「そうですねぇ。2,3万円くらいは欲しいですね」
「それって、上のミシンも付いてですか?」
「もちろんそうですよ」
以外に安いので驚いてしまった。
「私ね、メーカーに勤めていた頃営業もしたんですが、とうとう日本一になれなかったんです。
二位までにはなったんですがね。なぜかというと直しちゃうんですよ。
直せるのに直らないって言えなくてね、直しちゃうもんだから売れませんよね。
性格的にウソが言えなくてね。今はこうして修理専門にしてるんです」
なんとなく影が薄い初老のミシン屋さんは、そんなことを話しながら
これまで誰も直せなかった家のミシンも直してしまった!
縫えてる!(驚)
「どこがいけなかったのですか?」
「まず掃除してて釜から針の破片がたくさん出てきました。
それに糸掛けがずいぶん下がっていましたし。針の向きも間違えてました・・・」
針の向きが間違えてたのは私じゃないぞ!
それにボビンも緩んでたみたいで・・・
とにかく、掃除をすることで解消されたことがかなりのウェイトを占めている。
「掃除点検は大事なんですよ」
なるほどねえ・・・
知らないまま使っていたことも結構あって、説明を受けながらミシンの使い方の勉強にもなった。
いやいや、日本のどこかにはこうした良心的な職人さんがいるものなんですねぇ。
捨てたもんじゃないです。
長いこと見捨てられてた我が家のミシンもこんなにピカピカになって喜んでると思います。
そして生き返らせてくれて、ありがとうございました。
ミシンのことならこの人に任せよう!
・・・そう思ったところで完璧に直してもらっちゃったから、あと50年は用なしになっちゃったけど。
めでたし、めでたし、っと。
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